自然エネルギーに関する最新の話題

 このページは、太陽電池発電、風力発電、その他の自然エネルギー関連の最新の話題をトピック的にまとめたものです。  

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<2002年のトピック> 

2002-12-8 市民ファンドが全国で風車建設へ

 市民が出資して風力発電を行う全国規模の「自然エネルギー市民ファンド」が7日、東京都内で設立された。市民が出資する風力発電所(市民風車)は昨年9月に北海道で第1号が建設されたが、当面、03年に計画している秋田、青森両県の市民風車建設に向け4億円の出資を募るとのこと。

 新ファンドは、北海道で第1号を建設したNPOの「北海道グリーンファンド」、「環境エネルギー政策研究所」が呼びかけ、5都道県の10市民団体が結集して発足した。発電した電力は電力会社に買い取ってもらい、その収益で配当するという。

 当初は300万円の出資金でスタート。03年は秋田と青森に風力発電所(1500キロワット、総事業費各3億円)を造るため、1口10万円で出資者を募り、事業費の3分の2の計4億円を市民出資で賄う考え。04年度以降に全国で市民風車を建設する計画とのこと。

 昨年9月に北海道浜頓別町で運転を開始した発電所(同1000キロワット、総事業費2億円)は、1口50万円で約280口の市民出資を集め、不足分は金融機関からの借り入れで建設。北海道電力に17年間の契約で買い取ってもらい、配当利回りは年2.5%を見込んでいるという。(市民ファンドの連絡先は03・5366・1808)


2002.11.28 京都・御影堂に太陽電池瓦 東本願寺は否定的

 真宗大谷派の僧侶グループが26日、東本願寺(京都市下京区)の御影堂(ごえいどう)修復で太陽光発電導入を求める署名を宗派に提出した。宗派は明治期の再建当初の姿に戻す、との基本方針に合わないとして、困難との見通しを示しているという。

 「両堂屋根瓦のソーラー化を実現する会」はこの日、環境保護に寄与するために、御影堂と阿弥陀(あみだ)堂に、景観に配慮したソーラー瓦を採用するよう求める僧侶や門信徒ら582人の署名を宗派に手渡した。

 大谷派によると、修復の工法などを審議する宗派内の委員会は、専門家の調査や試算などを交えてソーラー化を検討した結果、瓦をガラス製に変更する必要があることが明らかになり、ガラス瓦は、再建当初に復するとの修復の基本方針に合わないことを審議の過程で確認した。

 これに対し、大谷派の僧侶グループは御影堂は時代の課題に応じて変わるべきで、今後も広く市民や環境団体に向けて、ソーラー化を提起していくという。


2002.11.23 ホンダが燃料電池車をリース契約で内閣府納入 

 ホンダは22日、同社が開発した燃料電池自動車「FCX」が国土交通大臣認定を受け、12日2日にリース契約で内閣府に納入する、と発表した。

 燃料電池自動車の市販は世界初。すでにトヨタ自動車が大臣認定を受け、同じく12月2日に国土交通省など4省庁への納入が決定している。「世界初の市販車」をめぐり激しい先陣争いを展開している。
 なおホンダは、12月2日、米国ロサンゼルス市にFCX5台を納入する。

 ホンダの国内でのリース料は毎月80万円で、2〜3年内に日米で30台程度を販売する予定。ちなみにトヨタのリース料は毎月120万円。FCXは4人乗り。モーター出力82馬力で、最高時速155キロ。355キロを連続走行できるという。圧縮水素ガスを燃料とし、空気中の酸素と反応させて発電しモーターを動かす。


2002.11.21  トヨタ、燃料電池車で初の大臣認定を取得

 トヨタ自動車は18日、燃料電池ハイブリッド車「トヨタFCHV」で国土交通省の大臣認定を取得、12月2日から限定販売すると発表した。

 燃料電池車としては初の大臣認定となり、年内には米国でも販売を開始する。
 今後1年間で日米両国で20台販売する予定とのこと。今回、認定を取得したのは7台で、内閣官房、経済産業省、国土交通省、環境庁に対して各1台ずつをトヨタが直接、リース販売するという。
 リース価格は1カ月120万円で、30カ月の契約であり、残りの3台はトヨタが自社で使用するという。

 トヨタFCHVはルーフやフェンダー部などにアルミを採用して車両軽量化を図ったほか、エアコンの冷媒に二酸化炭素を使用するなどさまざまな環境対策を施した。トヨタは同車の販売に合わせてサービス部に24時間対応の専用サポート体制を確保したという。


2002.11.20  福井市で市民共同発電所テーマに交流会

 11月17日、福井市で市民共同発電所設置に取り組む「ふくい市民共同発電所を作る会」が中心になり、県内外の共同発電所グループや自然エネルギーに興味を持つ人たちとの交流会が開催された。昨年に続き2回目。今回は、地域の自然エネルギー普及を支援する市民団体の集まり、全国グリーンファンド連絡会との共催。

 自然エネルギー推進市民フォーラム(REPP、東京)理事長の都筑建さんが講演。県内外で稼働している共同発電所の現状報告があった。県も、太陽光発電パネル設置の助成制度など支援策を報告した。最後に参加者は、地味な活動をどう市民にPRしていくかや、今後の進め方を話し合った。


2002.11.16  シャープが2003年1月から米国で太陽電池組立を開始 

 シャープ米国現地法人ソーラーシステム事業部門は、2003年1月にテネシー州メンフィスの施設で、同社としては海外で初めて太陽電池の組立を開始すことを明らかにした。

  シャープは現在世界最大の太陽電池製造メーカー。 米国における太陽電池の普及は日本やドイツに比べて遅れており、潜在的に巨大なニーズが見込める市場を開拓するため、米国に生産拠点を設置することを検討してきたとのこと。
 シャープの米国市場における太陽電池販売シェアは10%。従来は、日本から組立済みの製品を輸出していた。

 同社では(米国で)2けたの増収を予想しており、特に電力料金が高く、しかも、太陽エネルギーの活用促進策として、州政府から助成金が交付される、カリフォルニア、ニューヨーク、マサチューセッツの各州での売上げ増を来たいしているとのこと。

 2000年から2001年にかけてのカリフォルニア州での電力危機を経て、太陽エネルギーへの需要が一気に高まっている米西部各州では、環境保全につながり再利用可能なエネルギーに関心を高めているという。


2002.11.14 兵庫県町関宮町施設に太陽光発電・今月末に完成へ

 関宮町・ハチ高原の拠点施設「町交流促進センター」に、太陽光発電システムが設置されることになった。12日に工事が始まり、今月末には完成予定という。

 太陽光発電システムの設置は、県民・事業者の出資などで運営している「ひょうごグリーンエネルギー基金」(神戸市)が、地域のシンボル的な建築物を対象にした「県民発電施設」設置事業の一環として、今年度初めて計画。同町が2000年から10年間の「総合振興計画」で、新エネルギーの調査研究に取り組む方針を打ち出しており、両者の思惑が一致した。

 計画では、センターの屋根に縦5メートル、横13メートルの太陽電池を設置。総工費は420万円で、財団法人・新エネルギー財団(NEF)が50%補助、残りを県と同基金が負担する。発電した電力は館内の空調や照明などに使われ、余れば売電して基金に繰り入れるという。

 一方、風況調査は、町と新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の共同調査として同町吉井地区で実施。年間を通じ、発電に適した風力や風向があるかどうかを調べるとのこと。


2002.10.25  環境保全訴え、京都市役所に雨水タンクと太陽光パネル設置 

 京都市は中京区の市庁舎に、雨水を貯蔵して活用するタンクと、太陽光発電設備を設置すると発表した。環境にやさしい自然エネルギー利用の促進と、市民へのアピールが大きな狙いという。  

 雨水タンクはステンレス製で、本年度内に200リットルサイズ1基と500リットルサイズ4基を設置する。
 合わせて2200リットルの雨水が貯蔵できる。設置費用は計2百万円。すでに庁舎西側の寺町通沿いに2百リットルタンクを置き、庁舎内や庁舎前広場の植栽への散水に利用するとともに、近隣の住民にもタンクを広く開放し、路上散水などに役立ててもらうとのこと。

 太陽光発電設備は今年、結成40周年を迎える「京都紫明ライオンズクラブ」から寄付を受ける。発電パネルは36枚で、40ワットの蛍光灯30本分の年間使用電力に相当する約15百キロワットを発電できる。

 11月13日に、地下街「ゼスト御池」の吸気口上部に設置する。 雨水タンクを使うことで年間水道代20万円、太陽光発電で年間電気代2万円を節約できる。市では「節約効果というより、環境保全の啓発的効果を狙いたい」としている。


2002.10.22  青森市鯵ケ沢に市民出資型の風力発電所

 NPO(民間非営利団体)のグリーンエネルギー青森(GEA)は、県内で初めて、全国では二例目となる市民出資型風力発電所「あおもり市民風力発電所」(仮称)を鯵ケ沢町に建設、運営する計画を発表した。

建設するのは出力1,500キロワットの風車1基で、総事業費は3億円強。運営資金にはGEAが11月に青森市に設立する会社組織「市民自然エネルギー」が個人や団体から募る出資金を充てる。GEAは11月から建設に着手、来年3月の運転開始を目指すとのこと。

 建設場所は赤石町大和田の民有地約5千平方メートルで、風車は羽根中心軸の高さが約65メートル、羽根の回転半径は35メートル。年間発生電力量約300万キロワットはすべて東北電力に売電する予定である。  

 総事業費の約2分の1は新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が補助し、残りを金融機関の融資と市民自然エネルギーが集めた出資金で賄うとのこと。
 市民自然エネルギーは市民の小口出資をまとめる任意団体「あおもり市民風車の会」(仮称)からも出資金を募る予定だ。

 GEAは循環型社会の実現と地域の自立を目指して2月に設立、7月にNPOの認証を受けた。市民運営型風力発電所は、NPOの北海道グリーンファンドが2001年9月、国内で初めて北海道浜頓別町に風車一基を建設。同NPOは秋田県天王町にも風車一基を建設する計画で、GEAと同じ来年3月の運転開始を目指しているという。


2002.10.19 新日鉄が風力発電事業に参入−北九州で来年3月運転開始

 新日本製鉄は17日、風力発電事業に参入すると発表した。
 日本風力開発と共同出資で設立したエヌエスウインドパワーひびきを通じて、北九州市若松区の響灘地区で03年3月から運転を開始する。

 九州電力に年3千500万キロワット時(約1万世帯の年間消費量に相当)を売電する予定。新日鉄が手がけている風力発電機のタワー(支柱)に加え、発電所の建設工事も請け負い、同事業の拡大を図るとのこと。

 総事業費は30億円でこのうち10億円は経済産業省からの助成、20億円は複数の銀行が共同で融資するプロジェクトファイナンスを受け調達する。

 主要設備はGEウインドエネルギー社製の発電機10基で、生産能力は定格出力で計1万5000キロワットになるという。


2002.10.17 1人乗りのスポーティーな小型電気自動車を148万円で発売予定

 自動車部品を主力とするゼロスポーツ(本社岐阜県各務原市)は、1人乗りの小型電気自動車「ゼロEVエレクシードRS」を開発、来年4月の発売に向け予約の受け付けを始めたと発表した。

 スポーティーな外観とスムーズな加速が特徴。一般個人のほか、PRカーとして自治体や企業、テーマパークなどに売り込む。価格は148万円とのこと。
 鉛蓄電池6個でモーターを駆動する仕組みで、最高速度は時速60キロ。家庭用電源で8時間充電すれば、最大70キロの連続走行が可能という。


2002.10.12 太陽光発電システム設置、松山市で急増:市独自の補助金上乗

 太陽光発電システムを設置する家庭や事業所が、松山市内で急増している。

 国の補助金に、市独自の補助金を上乗せしているためで、申請件数は94〜01年度で計757件に上っており、同様の補助制度を実施している全国の中核市8市の中でも、群を抜いているという。

 市環境事業推進課によると、国の補助制度だけだった94〜99年度は申請件数が計285件。市が出力4キロワットを上限に同1キロワット当たり15万円の補助制度を整備した00年度は238件、翌01年度は234件に上った。
 今年度は9月末までの半年で、約130件の申請があり、年度別で過去最高のペースとなっている。

 市の試算では、設置費用約300万円の最大出力4キロワット型を設置した場合、国と市の補助金は100万円で、設置者の当初負担は200万円。これを耐用年数(15年)で割ると、年額約13万3000円だが、電気料金に換算して年間約9万5000円分の発電効果しかないことから、差額の約3万8000円が実質的な赤字となるという。


2002.10.10 ホンダが世界初:燃料電池車リース販売へ

 ホンダは、燃料電池車「FCX」5台をリース販売する契約を米ロサンゼルス市と結んだと発表した。燃料電池車の販売は世界初で、まず1台を年内に納入する。燃料電池車をめぐっては、トヨタ自動車とホンダが7月に相次いで「日米で年内に発売する」と表明していた。

 FCXはカナダ・バラード社の燃料電池を搭載し、350気圧の圧縮(水素タンク(156リットル)からの水素を燃料に、356キロの連続走行ができる。最高速度は150キロ。1台当たり1億数千万〜2億円程度と高価なため、リース販売する。

 水素の供給方法については、ロサンゼルス市とホンダが共同で今後検討するという。
 燃料電池車は、燃料電池で水素と酸素を反応させて発電し、電動モーターを回して走行する。排出するのは水だけという無公害車で、次世代車の本命とされ、世界の大手自動車メーカーが実用化に向けた開発競争にしのぎを削っている。

 年内発売についても、トヨタが7月1日に発表したのを受け、ホンダが同月25日に表明。契約ではホンダが世界初になったが、トヨタが納入時期でホンダを抜くことも考えられるとの見方もあるという。


2002.9.5 鐘淵化学が建材一体型ハイブリッド太陽電池を拡販       

 鐘淵化学工業はアモルファスシリコンと薄膜多結晶タイプをハイブリッド化した薄膜太陽電池を建材一体型で市場拡大するため、新たに日東紡績が総発売元となるアルミベースの太陽電池一体型屋根システムへのハイブリッド太陽電池の供給を開始した。

 今秋からは売れ筋の平板瓦一体型でも大手ハウスメーカー7社が各社のスペックに合わせ販売に乗り出すなど、02年度は国内市場で7000キロワット以上をアモルファスハイブリッドタイプで販売するという。
 鐘淵化学工業は関連企業のカネカソーラーテック・豊岡工場(兵庫県豊岡市)で太陽電池を量産、ハイブリッドタイプは電気変換効率で10%を安定的に実現している。
 すでに提携しているクボタは02年度に前年度倍増の1000件の住宅への普及を目指している。また日東紡が総販売元で、アルアピア(東京都中央区)が製造するアルアピアPV25へもハイブリッド太陽電池を供給するという。


2002.9.4 福井・国見岳風力発電所で2号機の設置作業が完了

 県が福井市の国見岳(656メートル)山頂の森林公園内で稼働させる風力発電所2基のうち、2号機の設置作業が2日、完了した。近く1号機も設置し、今月20日ごろから試運転を始める予定。
 昨年10月から基礎工事を開始。設備はデンマーク製で、6月8日に積み込んだ貨物船がデンマークを出港し、先月21日福井港に到着。タワーの高さは49メートル、3枚羽根の風車の直径は52メートル。出力は1基当たり900キロワットのもの。
 2号機の組み立て設置作業は先月27日にタワー部分から始められ、天候に恵まれて作業は順調に進捗。当初は予定より1日早く先月30日に、クレーンでつり上げて風車を据え付けようとしたが、風が強く断念。結局2日に最上部の取り付けが完了したもの。


2002.9.2 福井県鯖江市で「親子新エネルギー教室」開催

 子どもたちに環境問題に対する意識を高めてもらおうと1日、鯖江市で「親子新エネルギー教室」(鯖江ファッションタウン推進協議会主催)が開催された。午前、午後の2回に分かれ、計60組、130人の親子が参加した。
 この催しは同市が新エネルギー財団の協力を得て実施したもの。
 はじめに、若手漫才師「ダムダムダン」が新エネルギー勉強会として、太陽光や風力、廃棄物発電などをクイズや冗談を混ぜながら分かりやすく解説。その後、太陽電池で走る自動車の模型を親子で組み立てた。子どもたちだけでなく、一緒に参加した父親たちも真剣な表情で取り組んでいたという。


2002.9.3 環境・開発サミット・自然エネ数値目標定めず

 環境・開発サミットは2日夜(日本時間3日未明)の閣僚級会合で、「持続可能な開発」に向けた各国の行動プランとなる「実施計画」の全容を正式に決めた。
 これまでの交渉で表現の調整が残っていた風力・太陽光発電などの「再生可能エネルギー」について、欧州連合(EU)が求めていた2010年までに全エネルギーに占める比率を15%にするなどの数値目標を一切定めないことで合意した。
 再生可能エネルギーについて、日本は「国によって水力や石油など利用しやすい資源が異なるため、世界一律の目標を設定するのは好ましくない」などと主張し、米国などとともに数値目標の導入に反対してきた。
 最終的にはEUが主張を取り下げ、参加各国は「今後、エネルギー全体に占める割合を増やすよう努力する」などの目標を盛り込むことで一致、実施計画をめぐる一連の交渉を終えた。


2002.8.30 北海道電力の風力発電新規購入は10万キロワット

 北海道電力が発表した、風力発電からの電力受け入れに関して行った技術検証の結果によると、同社の電力ネットワークに接続できる風力発電設備の合計出力は25万キロワットまでとなることがわかった。 同社は、すでに接続している約15万キロワットとの差10万キロワットを新規に電力購入する枠として設ける方針という。 


2002.7.26  シャープ、太陽電池セル増産−200メガワット生産体制に拡大

 シャープは、新庄工場(奈良県北葛城郡新庄町)で太陽電池セルの生産設備を増強し、既存設備と合わせた年間生産能力が従来よりも54メガワット増えて148メガワットになったと発表した。また、八尾工場(大阪府八尾市)に、太陽電池モジュール組み立て設備も新設し、総投資額は約45億円にのぼるという。

 日本、欧米などでの需要増に対応するため生産能力を引き上げたもので、設備フル稼働による量産効果、設備投資額抑制などで、同社製太陽電池のコスト低減が進む見込みとのこと。
 2002年度は従来にも増して世界的な需要拡大が予測され、同社は2002年度中に年産200MWへの増産体制確立を目指すという。


2002.7.26 岩手県稲庭高原風力発電所に風車故障が相次ぎ補償請求へ

 全国初の県営風力発電所として、岩手県浄法寺町大清水で昨年9月から稼働している稲庭高原風力発電所で、風車の故障が相次ぎ、県の売電損失額が1500万〜2000万円に上ることが分かった。

 県は今夏に発電機器を受注した日本鋼管(NKK)に補償を請求するとのこと。
 同発電所は稲庭岳南東部の標高約700メートルの高原にあり、出力660キロワットの風車3基が稼働する。総事業費は約7億円。発生電力は東北電力に売電し、同町や安代町の家庭や工場に提供している。
 風車は高さ約50メートルで羽根の直径は50・5メートル。

 県企業局によると、今年1、3月に1、2号機で風車の出力を制御する「逆変換装置」の不調や風車内の制御データの通信エラーなどの異常が生じた結果、いずれかの風車が故障し、3基そろって稼働しなかった日数は昨年9月〜今年5月で136日に上ったという。


2002.7.20 滋賀県大津で国内初の「市民共同発電所」全国フォーラム開催

 全国で市民共同発電所の設置、運営にかかわる市民団体の代表や行政、企業の担当者、研究者らが一堂に集い、新たなエネルギー利用のあり方を論議する「2002市民共同発電所全国フォーラム」が、8月10、11の両日、大津市山上町のいこいの村びわ湖で開かれることとなった。

 市民が共同出資し、太陽光や風力を利用した発電設備を設置・運営する市民共同発電所は、現在は7都府県で、20を超えるという。全国フォーラムはこうした動きを受け、各地の取り組みの現状や課題、また今後の方向性について意見を交換しようと、関西の8団体でつくる「市民共同発電所関西連絡会議」を中心とした実行委員会が主催する。

 初日の十日は基調講演などがあり、滋賀県新旭町の海東英和町長や北海道で風力発電を行っている団体の代表ら5人が「拡がりを見せる市民共同発電所」と題してパネル討論、11日は「市民共同発電所のつくりかた」や「自然エネルギーと市民共同発電所」といったテーマで4つの分科会を開く。
 定員2百人で参加費は資料代2千円で申し込みは今月30日期限で受け付ける。
 詳細はフォーラム実行委事務局Tel:0748(77)5741まで。


2002.7.12 国内最大級の釜石風力発電事業・地権者が建設を了承

 トーメンパワージャパン(本社・東京)が釜石市の和山牧場周辺で計画している総出力4万2900キロワットの国内最大級の風力発電事業で、遠野市の貞任牧野農業協同組合は10日、建設を了承した。
 土淵放牧組合も9日付けで了承しており、これで釜石市や大槌町も含めて建設予定地の地権者の同意が得られたことから、来春の本格工事に向けて前進することになったもの。

 貞任、土淵両組合は同社が建設を予定している3牧場のうち貞任牧場(遠野市)と新山牧場(大槌町・遠野市)の各地権者で、土地を賃貸する。計画されている約40基の風車のうち、十数基が遠野市側に建設されるとのこと。

 同社は当初、全体で約30基の風車を予定していたが、さらに10基程度の増設を計画。総出力4万2900キロワットに変更はないが、1基当たりの出力を落とすことで機材の大型化を抑え、運搬を容易にするという。


2002.7.12  タカラ、チョロQの電気自動車発表 

 玩具のタカラは9日、ベストセラーミニカーのチョロQをモデルにした、遊び心ある電気自動車「Qi(キューノ)」と「QQ(ナインナイン)」を発表した。
 Qiは11月に限定99台の発売で価格は129万円、QQは199万円で、来年2月に300台発売する。
 当初は遊び心で開発したが、今年2月にチョロQモーターズを設立、量産参入する。原付免許で乗れるため、主婦や高齢者などの新しい交通手段としても期待でき、「原付に変わるミニマムの交通手段」を目指すという。来春には実用性の高い「Uコンセプト」も商品化、99万円で量産する方針とのこと。


2002.7.11 広島県沖美町の三高小新校舎に大型ソーラーシステム導入

 大型ソーラーシステムを導入した沖美町の三高小(92人)新校舎の落成式が8日あり、未来型の校舎の完成を祝った。校舎のソーラーシステムとしては、広島県内一の規模とのこと。

 1967年に建てた旧校舎の老朽化で全面改築した新校舎は、鉄筋三階建ての本校舎と西校舎の二棟延べ約三千平方メートル。ソーラーパネルは、本校舎の屋根に162枚、児童に見えやすい玄関のひさしにも8枚設置した。
 発電能力は20キロワットで、照明や冷暖房、教育機器などの電力を賄う。校内にある端末機の表示で、発電量や日射量、温度などをリアルタイムに確認でき、総工費は6億4千6百万円。 「日射量と関係の深い、花や漁業など島の産業とも結び付けた環境教育ができる」という。


2002.7.11  秋田南バイパスに風力発電を利用した融雪装置が導入

 国道7号秋田南バイパス(8.5キロ)が来年春、全線開通する。旧雄物川に架かる臨海大橋には、東北では2例目となる風力発電を利用した融雪装置が導入される予定とのこと。  風力発電は、カーブのきつい臨海大橋の路面の消融雪装置の電力を賄う予定で、トンネル南口にデンマーク製の風力発電機1基(直径44メートル)を設置し、冬季に日本海から吹き付ける強風で毎時750キロワットを発電する。  風力を用いた融雪工法は国道49号の中山トンネル(郡山市―福島県猪苗代町)に第1号が設置されたが、それと比べると、秋田の発電規模は3倍になり、トンネル内の照明も賄うほか余剰電力は販売する予定とのこと。風が弱い夏場は商用電力も併用される。


02.7.10  富士重工が中型風力発電に参入-来年度100kw級を10機生産予定

 富士重工は平成15年度から宇都宮製作所内で、定格出力100キロワットクラスの風力発電システムを、年間10機を目標に生産するとのこと。
 これまで40キロワットクラスの小型システムで事業展開してきたが、NEDOの受託研究で蓄積した技術を核に中型機を製品化し、自治体などに売り込み、早期に売上高50億円を達成したいとしている。

 富士重工業はこれまで宇都宮製作所内で、航空・宇宙、車両・環境、風力発電システムを手掛けてきたが、カンパニー制導入による事業再編で、14年度で車両事業から撤退、そこで、風力発電事業を航空・宇宙部門からエコ・テクノロジーカンパニーに移管し、車両事業の人員やスペースを活用して生産するという。


2002.7.9  NEDO/NEFが「新エネルギー・省エネルギー支援策」の追加公募

 NEDOは地域におけるNPOなどの民間団体等が草の根レベルで行う、新エネルギー導入・普及啓発を図るため実施する「導入活動」等を助成の対象として、平成14年7月14日(日)〜平成14年8月30日(金)までに限り、追加募集をすることとなった。

 対象となるのは、太陽光発電、風力発電、太陽熱などの導入普及活動で、対象費用の1/2以内を補助することとなっている。 詳しくは、以下のホームページを参照。
https://www.nedo.go.jp/informations/koubo/140709/140709.html


2002.6.12 三洋電機がHIT太陽電池で欧州進出

 三洋電機は、同社の太陽電池の主力であるHIT(単結晶ウエハーにアモルファスを接合した太陽電池)で9月に欧州市場に進出する。
 地球温暖化防止の京都議定書批准などの流れを背景に、ドイツをはじめ市場が大きく伸びつつある欧州で本格的に市場を開拓、すでに販売している米国市場も含め、02年度には海外販売比率を10―20%に高めるという。

 三洋電機は3月に関係会社である島根三洋工業の太陽電池セルの増産投資を終了、現在は年産3万3000キロワットへ拡充している。
 HITは表裏同一構造で、単結晶だが薄くでき、しかも発電効率の高さが売り物で、量産されている太陽電池では17・3%と最高の効率を実現、03年には20%近い効率を目指している。  1キロワットでの価格は設置費用込み75万円で、今年度中には60万円までのコストダウンを目標にしているという。
三洋電機・HIT太陽電池はこちら


2002.6.9 シャープ、モジュール小型化の住宅用太陽光発電システム発売

 シャープは、住宅用太陽光発電システムの02年度モデルを6月25日に発売すると発表した。  太陽電池モジュールの面積を同社従来品よりも約40%小さくして、比較的小規模な住宅にも設置しやすくした。  モジュール価格は多結晶タイプが3万4400―5万400円、高出力の単結晶タイプが4万200―6万2500円。モジュール外形は縦945ミリメートル、横802ミリメートル。標準的な四角形のモジュールは最大出力が多結晶タイプ98ワット、単結晶タイプ102ワット。 パワーコンディショナーには業界で初めて系統別電圧調整機能を内蔵し、価格は23万2000―34万2000円とのこと。


2002.6.6 長崎県五島で風力発電が稼働、2基で600世帯分を供給

 富江町などが出資する五島風力発電(資本金1000万円、江副友計社長)の発電施設が完成し、6月から営業運転を開始した。五島では岐宿町に次いで2カ所目となる。
 町は地域活性化を目的に、98年度から風況調査を始め、長峰郷にある標高322メートルの横峰山頂付近を選定し、01年8月、工事に着手した。総工費約3億円。新エネルギー産業技術総合開発機構(NEDO)から1億3500万円の補助を受けた。
 発電施設は2基。3枚羽根の風車が取り付けられ、羽根の直径は45メートル。1基あたり600キロワットの発電能力を持ち、2基で600世帯分の電力をまかなえる。電気は九州電力に売り、月間300万円の売り上げを見込んでいるという。


2002.6.5 富士電機、超軽量アモルファスシリコン太陽電池の実用化にめど

 富士電機はプラスチックフィルムを基板に、表面を樹脂で封止した超軽量アモルファスシリコン太陽電池モジュールの3年間のフィールドテストと信頼性テストで実用化にめどをつけたとのこと。
 コストダウンのための製造速度も、中心となるアモルファスシリコン製造工程で1工程を5分でクリアする高速生産を実現、今後建材一体型での事業化に乗り出す。
 このアモルファス電池は通常使用されるガラス封止型モジュールではなく、入射面を樹脂中に封入する構造とした。
 また電池本体の基板には従来のガラス板に代わり、50マイクロメートル厚のプラスチックフィルムを採用、従来の太陽電池モジュールと比べ10分の1の軽量化を達成した。
 モジュールの厚さは1ミリメートル、重量は1平方メートル当たり1キログラムで、電気変換効率は8%台をクリアしたという。


2002.6.5 粘土瓦で太陽光発電・新東が開発

 新東(愛知県高浜市)は、鐘淵化学工業(大阪市)と共同開発した粘土瓦と太陽電池パネルを一体化した太陽光発電用瓦「新東サンブレスAM」を8月から発売すると発表した。
 粘土瓦での商品化は珍しいという。 瓦は一枚が縦約35ンチ、横約52センチで通常品の約2倍。新東が独自の精密な焼成技術により完成させたゆがみの少ない平板瓦に、鐘淵化学工業の「アモルファスシリコン太陽電池」を埋め込み一体化させた。
 一枚で約6ワットの発電力があり、一般家庭の一日の消費電力は約3キロワットとして、自家発電するためには約480枚必要。 値段は施工費込みの標準価格で約280万円と、従来の据え置き型太陽光発電装置と比べて3割ほど高いが「屋根の形状を選ばず施工でき、デザイン面でも景観を壊さずさまざまな住宅に対応できる」とアピール。防水や耐風性も優れているという。初年度に150〜200棟分の売り上げを目指すという。


2002.6.2 八ケ岳の山小屋トイレ・クリーンエネルギー併用7カ所 

 長野県・八ケ岳で、山小屋トイレの浄化対策が進んでいる。 し尿の垂れ流しによる環境汚染は各地で問題化しているが、茅野市は独自の補助制度で対策を後押ししている。
 今年の施工分も含め、合併浄化槽を設けた山小屋は十カ所、うち風力や太陽光発電など自然エネルギーの併用は七カ所と、トイレ水洗化の先進山岳地となっている。

 八ケ岳にある茅野市域の山小屋は二十カ所。市は九八年度に浄化槽設置の補助制度を創設。さらに環境省の浄化対策事業が始まると、国補助50%の残りについて三割を上乗せする独自の補助枠も設けた。くみ取り方式を含めた浄化対策は十五カ所の山小屋に達するという。


2002.5.26 釜石で国内最大の風力発電を計画

  東北電力が発表した大規模風力発電の落札候補者の一つに、岩手県釜石市橋野町の和山牧場を中心とした事業を計画しているトーメンパワージャパン(東京)が決まった。運転開始は2004年11月を予定し、発電量は4万2900キロワットと、運転開始時点では国内最大の規模になるという。

 発電事業は面積約1500ヘクタールの和山牧場を中心に遠野市、大槌町にまたがる一帯で実施。出力1300キロワットの風車33基を設置する。
 6月にも東北電力と電力売買の仮契約を結び、来年5月の着工を目指すとのこと。
 国内の風力発電所では現在、トーメンパワージャパンの子会社が運営する「岩屋ウインドファーム」(青森県東通村、3万2500キロワット)が最大で、オリックス(東京)などの出資会社が運営する「苫前ウィンビラ」(北海道苫前町、3万600キロワット)などが続いている。
 市は「クリーンエネルギーの普及に釜石が貢献できる。用地を提供する栗橋牧野農協には賃貸料が入るので畜産振興にもつながり、観光面のメリットも期待される」と歓迎しているという。


2002.5.15 長野県の官民組織の対策研究会が温暖化防止策を提言

 長野県の行政、大学、企業、非営利組織(NPO)などの各界から16人が参加する「信州・地球温暖化対策研究会」(座長、北條舒正・元信州大学長)は、地球温暖化防止に向けた提言書をまとめた。  
「飲料水の自動販売機は半減」、「コンビニエンスストアや郊外型大型店舗の営業は午前7時から午後11時まで」など大胆な提言内容。
 「地球温暖化対策『長野モデル』」と題する提言書は、信州らしい天然資源の活用、ライフスタイルの転換、産業界の自主削減、行政の体制づくりの4本柱を掲げ、計18項目の取り組みを示した。
 自販機やコンビニの他には、「全小中学校、高校に10キロワット以上の太陽光発電を導入する」、「信号機の電球を消費電力の少ない発光ダイオードに変える」、「マイカー通勤を市部で半分にする」などを提言。これらの取り組みで2010年に二酸化炭素などの温室効果ガス排出量を、1990年の排出量から6%以上減らすことを目標にしているという。


2002.5.22 「京都議定書」批准承認案が本会議で承認・可決

 温室効果ガスの削減を各国に義務付ける京都議定書の批准承認案が21日午後、衆院本会議で承認・可決され、国会での承認が決まった。
 議定書の目標を達成するための国内制度を定めた地球温暖化対策推進法改正案も同日、衆院本会議で可決される。改正推進法の成立には参院での可決も必要だが、これで、日本が目標通り、6月上旬までに批准手続きを完了できることがほぼ確実となった。

 政府は改正推進法に基づき、議定書が日本に義務付けた温室効果ガスの「6%削減」を達成するための「京都議定書目標達成計画」を策定することとなる。
 これにより、政府だけでなく産業界、国民の全てが、温室効果ガス削減の国際的な公約を果たすことが求められることになる。
 一方、「京都議定書目標達成計画」は何らの強制力は持たないことから、環境NGO(非政府組織)からは実効性に疑問の声もあがっているという。

 将来的に効果が上がらなければ、化石燃料の消費に課税する「環境税」の導入が検討されるのは必至という見方もあり、産業界には「何らかの規制が盛り込まれるのでは」との懸念の声、あるいは、排出削減を積極的にビジネスチャンスに繋げるべきとの声もあり、今後の動向が注目される。


2002.5.22 福井県立大で「自然エネルギー」オープンカレッジ講座開設

 自然エネルギーを生かした地域発展の可能性を考えようと、県立大福井キャンパス(松岡町兼定島)で、オープンカレッジ講座「自然エネルギーの未来―地域実践との対話から」が22日から始まる。

 自然エネルギーをテーマにした講座は、県立大の杉村和彦・学術教養センター助教授をはじめ、モニュメント型風力発電装置を開発した異業種交流組合「プロード」(福井市)の増田頼保さん、木質バイオマスの有効利用について取り組んでいる今立町八ッ杉森林学習センター・マネジャーの田中秀幸さん、「ふくい市民共同発電所を作る会」代表の松尾斗伍郎さん(福井大名誉教授)ら、県内で自然エネルギー普及に取り組む“先駆者”が講師を務める。
 それぞれの新たな取り組みを紹介し、地域振興や文化、地域社会づくりの観点などから、自然エネルギー利用の可能性を参加者と共に考えていくという。

 今月22、29日、6月12、26日、7月10、24日の計6回実施し、無料。1回ごとの参加や当日参加もできる。申し込みは交流センター(0776・61・6000内線6111)まで。


2002.5.18 京都の観光絵はがきに太鼓山風力発電所が登場

 京都府弥栄町の織物業者が特産の丹後ちりめんを使って製作販売している観光絵はがきシリーズに新観光名所の太鼓山風力発電所が登場し、人気を呼んでいる。
 絵はがき「ちりめんだより」シリーズは、1988年の京都国体を機に丹後らしい土産品として考案され、丹後の観光地を手がき友禅で紋ちりめんの白生地に印刷した独特の手ざわりが特徴。
 新作の「丹後半島の風力発電」(一枚300円)は昨秋、同町のスイス村公園のある太鼓山に府の風力発電所が完成し、大きな観光戦力と期待されることからシリーズに加えられたもの。

 絵はがきのデザインは、経ケ岬灯台や天橋立、伊根の舟屋などこれまでに五十種類を超え、今年一月には「第四十二回全国推奨観光土産品審査会」(日本商工会議所など主催)で最優秀の国土交通大臣賞に選ばれるなどヒット商品になっているという。


2002.5.15 W杯開催で日韓が環境対策アピール

 サッカー・ワールドカップ(W杯)で、国内10か所の開催地が、雨水や再生紙の活用、太陽光発電施設の設置、低公害車の採用など、環境への配慮に知恵を絞っている。

 環境省の調べなどによると、開催地の主な取り組みでは、横浜市など7開催地が芝生の散水やトイレに雨水を利用。2開催地がシャトルバスに低公害車を導入し、ガイドブックやごみ袋への再生紙・再生品利用も4開催地で行われている。また、太陽光発電施設の設置(埼玉県)や、生ごみ処理機で作った肥料の使用(札幌市)などもあるという。

 一方、韓国は韓国では「グリーン・ワールドカップ」と題したガイドラインを策定、国を挙げて環境対策をPRしており、W杯は環境への取り組みを世界にアピールするチャンスとして、競技場建設から国民の環境意識向上までを網羅したガイドラインを国が策定したり、NGO(民間活動団体)を中心に「会場へは公共交通機関を使おう」と呼びかけるキャンペーンを展開しているとのこと。
 日韓の環境対策戦は、果たしてどちらに軍配があがるのか注目されるところ。


2002.5.12 アサヒビール神奈川工場完成・電力の約2割を風力発電で賄う

 アサヒビール(本社・東京都)が南足柄市怒田(ぬだ)に、99年12月から建設を進めていた「神奈川工場」が完成し9日、同工場で竣工(しゅんこう)式が行われた。

 神奈川工場の敷地面積は約41万平方メートル。総工費約350億円が投じられ、年間15万キロリットル(大瓶換算で約1200万箱)の生産能力がある。同社の主力製品である「スーパードライ」を生産、東京都内や神奈川、山梨両県に出荷するという。

 廃棄物再資源化100%の実現など、環境保全面での取り組みも進め、工場で使用する電力の約2割に当たる年間330万キロワット時の電力を風力発電でまかなうという。

 工場内にはビール園のほか、南足柄市商工会の運営で、地元特産品を直売する「物産館あしがらの里」を併設。ともに7月1日、オープンする。同時に、工場見学もスタートさせる。工場見学は1月から予約受け付けを開始しており、すでに約5000人の予約があるという。 


2002.5.8 鐘淵化学が今秋をめどにアモルファス太陽電池の増産を計画

 太陽電池業界は世界最大手のシャープが年内に年間200メガワットまで生産能力を増強するなど拡大基調にあり、今後のシェア争いが注目されてる。
 一方、鐘淵化学工業は今秋にもアモルファス(非結晶)太陽電池の生産量を能力いっぱいの年間20メガワットに引き上げる計画を発表した。
 ビル屋上用や海外向けなどの新市場開拓のめどが立ったためで、昨年度実績の8メガワットから一気に2.5倍に高めるとのこと。

 増産するアモルファス太陽電池のうち、安価なアモルファス単体は海外向けに、発電効率の高い薄膜多結晶とのハイブリッドタイプは国内向けに出荷し、それぞれ10メガワットずつを生産するという。
 新市場として位置づけているビル屋上用は従来と比べて工事費を15―20%抑えられる新しい工法を開発したのを機に本腰を入れることにした。
 遮熱効果が高いほか、先行メーカーが手掛けている結晶系では設置に30度の傾斜が必要であったが、新工法では5度で済むなどの利点があるという。


2002.5.9  ファーストリテイリングが、電気自動車をユニクロで販売!?

 玩具メーカーのタカラは、ユニクロを展開するファーストリテイリングと提携し、今秋発売予定の電気自動車を、ユニクロ店舗網でも販売する方針を明らかにした。
 販売するのは、ユニクロ専売モデルの1人乗り電気自動車で、タカラの子会社「チョロキューモーターズ」で開発、9月をめどに発売を開始するとのこと。

 全国に500以上あるユニクロ店舗網のうち、大型店70店舗を中心に、200店舗程度で販売したいという。価格は100万円程度を予定している。
 タカラでは、ユニクロの店舗網を活用することで、潜在顧客の掘り起こしを図るほか、車種数を増やすことも検討しており、予定していた初年度1000台の販売を上回るとみている。


2002.4.27 大和ハウスが太陽光発電を標準装備したソーラー住宅を新発売 

 大和ハウス(大阪市北区)は4月27日、太陽光発電システムを搭載した戸建住宅
「ソーラーマイネ」を発売すると発表した。
 同社が昨年1月に発売し、累計販売棟数が2000棟を超えた「ルグランマイネ」をベースとして、「地球環境への貢献」「クリーンで安全な生活」「経済的メリットの享受(光熱費の削減)」というコンセプトを新たに付加したもの。

 太陽光電池モジュールをあらかじめ生産工場内で屋根パネルに取り付ける「プレセットPVシステム」の採用によって、約40%のコストダウンを実現、本体工事価格が44万円台からという価格が可能となった。
 また、「オール電化仕様」を標準で採用し安全性、経済効率性にも配慮した。北海道や沖縄、多雪地域を除く全国で販売し、初年度販売目標は360棟という。


2002.4.26 宮崎県北郷町が太陽光発電に、最高30万円助成!

 宮崎県北郷町は今年度から、住宅用太陽光発電システムの設置に最高30万円を補助する新エネルギー助成事業を始めた。
 国の補助に上乗せ交付するもので、新エネルギー財団が窓口となっている国の補助制度に応募し、交付額が決まった町内居住者が対象とのこと。

 補助額は出力1キロワット当たり10万円。住宅用システムの出力が通常3〜4キロワットであることから、最高3キロワットまで助成する。国の補助も今年度上半期は1キロワット10万円。3キロワットのシステムを設置した場合、両方合わせて最高60万円の補助を受けられることになる。


2002.4.26 東電の風力発電の入札に5件の応募

 東京電力は、3月8日から行っていた事業用風力発電の入札の応募結果を発表した。募集対象は出力2000キロワット以上の風力発電設備で、計3万キロワットの募集枠に5件、5万4500キロワットが応募した。
 5月下旬をめどに落札候補者を決めた上で、6月に電力受給に関する基本協定を締結する予定とのこと。 


2002.4.1 秋田・白神山地に環境に優しいトイレ2カ所完成
(電源は小型風力発電)
 
世界遺産・白神山地のふもとの藤里町が、周辺の白神山地に建設していた浄化槽付き水洗トイレ2カ所がこのほど完成、春山シーズンを迎える4月下旬から一般に開放となる。これまで仮設トイレが設置されていたが、衛生上の理由から水洗化を図った。
 設置されたのはブナ原生林が見どころの岳岱自然観察教育林の入り口と、国設クルミ台キャンプ場の2カ所。木造平屋建て(30〜43平方メートル)で、雨水や沢水を活用、浄化水は地下に浸透させる方式と循環システムを採用。
 小型風力発電で電源を確保しており、自然環境に優しい設計とした。

 環境省の補助を受け、総工費約7500万円で昨年8月に着工していた。
 今年は駒ケ岳に通じる黒石沢コースの登山口と、遺産地域を一望できる小岳の登山口に同様の水洗トイレを整備する。総工費約6000万円で8月に着工する方針。
 白神山地が遺産登録後、町観光客は急増しており、中でも登録地周辺のトイレの改善を望む声がハイカーらから高まっていた。このため、町は自然保護団体ら関係団体と協議を重ね、景観や騒音など環境に配慮した水洗トイレの整備に乗り出したもの。


2002.3.24 宇治市役所が太陽光発電設備を導入
 
京都府宇治市が市役所本庁舎の屋上に太陽電池パネルを設置、22日から発電を開始した。
 二酸化炭素を排出しないクリーンなエネルギーである太陽光発電システムを導入し、温暖化防止の一助とするのが狙いとのこと。
 市が本年度から実施している地球温暖化対策実行計画のシンボル施設として、204枚のパネルを約三千万円かけて設置した。現在の発電量や月ごとの電力量を示す表示板も設置しており、来庁者らが発電量を確認できるという。

 発電能力は、最大で毎時二十キロワット。年間の発電電力量は約二万キロワットになる見込みで、一年間に庁舎で使用される電力約二百五十万キロワットの0・8%をまかなう。
 原油に換算して六千四百七十リットルを節約でき、二酸化炭素の削減効果は森林約五ヘクタール分に当たるという。


2002.3.17 足利市に風車型モニュメントが完成
 足利市制80周年を記念した風車型モニュメントが東武足利市駅北側に完成し、25日にテープカットが行われた。
 風車は高さ11・5メートルでヨットの帆をイメージした3枚の黄色い羽根で製作され、回転部分の直径は約5メートルになる。風速2・5〜12メートルで発電器が作動し、発生する電力量は最大300ワットで、この電力を蓄電池に蓄え、電光掲示板に発電量や風速などを表示する。
 96年に環境都市宣言を採択した同市は、環境先進都市をアピールするため、同モニュメントの設置を計画、足利商工会議所が00年8月にデザインを公募。優秀作品を基にして、風力発電の研究で知られる足利工業大機械工学科が設計したもの。
2002.3.16 磐田市がW杯前にソーラー発電の電動自転車用スタンド設置
 自転車を活用した環境に優しい街づくりを進めようと磐田市は、市役所など市内3カ所に太陽光発電による電動アシスト自転車用の充電スタンドを設置した。
 4〜6月には、電動アシスト自転車のレンタル料を通常の4〜6月は4分の1の1日200円に下げ、サッカーW杯の日本代表のベースキャンプ地として、サッカーファンなどに市の環境問題への取り組みをアピールしていく方針とのこと。

 市役所に設置された充電スタンドは、庁舎の屋上に設けられた約8平方メートルのソーラーパネルで発電した電力を利用し、同時に5台まで充電できる。
 市立図書館や、W杯日本代表が練習に使う「磐田スポーツ交流の里ゆめりあ」内にも設置され、整備費は計1200万円。うち400万円は県から補助を受けるとのこと。
 電動アシスト自転車は、坂道や発進時に軽い力で前に進むことができる。1時間半の充電で、30キロ程度の走行が可能という。
 環境に優しいだけでなく、高齢者も利用しやすいことから、同市では普及に努めており、現在JR磐田駅から北約300メートルにある観光案内所で20台が市民にレンタルされているという。


2002.3.16 東京都民出資の風力発電所ができる!?
 日本自然エネルギーは14日、市民から広く出資を募って風力発電所を建設する計画を発表した。同社は、東京都が選定を進めている風力発電のパイロット事業に採用されれば、都民2000人から1人当たり10万円、計2億円を調達して東京湾の埋め立て地に第1号機を建設する計画とのこと。

 発電した電気は都内の企業100社に販売する計画で、市民と企業が一体となって風力発電を後押しする世界初の試みとなる。
 計画では、日本自然エネルギーや関電工など5社が、風力発電の事業会社を設立し、来年3月から営業運転を始め、20年間にわたって発電を行い、運転期間中、出資者には出資金に対して年1―3%の配当を出し、出資金も15年程度で償還する予定で、単なる環境活動への寄付でなく、「環境財テク」の側面もあるという。

 建設予定地は、江東区の臨海副都心の沖合側で、4億3000万円、高さ73メートルの風車(出力1000キロ・ワット)を2基建て、一般家庭800軒分の電気を発生させるという。  
 発電した電気は、「グリーン電力証書」制度を用いて企業100社に販売する。企業は1社当たり年40数万円の負担で証書を買うことで通常の電気料金より割高な風力発電の電気を買うことになり、環境重視の姿勢をPRできるという。


2002-3-13 電力会社に「新エネルギー普及義務」、経産省が新法案を今国会に提出
 経済産業省は12日、太陽光、風力発電などコスト高の新エネルギー発電の普及を電力会社などに義務付ける通称「新エネルギー発電法」案をまとめた。
 15日にも閣議決定して今国会に提出、来年4月の施行をめざすという。

 同案では、政令で定める新エネルギーに「廃棄物発電」を含めた。これまで同発電に対しては、市民団体などから「割安の『ごみ発電』が増え、自然エネルギーの普及が妨げられる」「二酸化炭素排出量が増え、地球温暖化防止に逆行する」との批判が出ていた。
 これに対し、同省は「焼却するしか処理方法がないごみの焼却エネルギーを有効活用することが目的。ごみ発電は必ずしも割安ではなく、設備急増の恐れは小さい」(資源エネルギー庁)との理由で、新エネに含めた。

 法案の正式名は「電気事業者による新エネルギー等の利用に関する特別措置法案」。
 国は電力会社などに販売電力量に応じた新エネルギー導入目標の達成を義務付ける。
 風力発電などの導入には立地上の制約があるため、目標を達成できない電力会社などは他社から新エネルギーを買い取る。

 一方、超党派の国会議員で組織する「自然エネルギー促進議員連盟」(会長・橋本竜太郎元首相)は、廃棄物発電の乱立を防ぐため、木くずなどを活用する「バイオマス発電」に範囲を限ることなどを提案しているが、経産省は法案の運用で対応することを検討しているという。


2002-3-12 福井市の太陽光市民共同発電所2号機が稼働
 「ふくい市民共同発電所を作る会」(代表=松尾斗伍郎・福井大名誉教授)による太陽光市民共同発電所2号機がこのほど、福井市で発電を始めた。
 共同発電所は市民参加による自然エネルギー普及事業の一つで、福井県内では4機目という。   
 共同発電所は、1口10万円で市民の出資を募り、住宅などの屋根に太陽光発電パネルを設置。作った電気は屋根の提供者へ売り、消費した以外の余った電気を北陸電力に売却する。
 売上金は、屋根の賃借料として10%を提供者に支払い、残りを出資者に分配。分配金は1口当たり年間2500円程度になる見込みという。

 2号機は、4.38キロワットの発電パネルを同市の会社員宅の屋根に設置した。先月23日には出資者らがパネルの設置作業を見学。今月初めから発電を開始した。
 作る会は3号機の設立も検討中で、引き続き出資者と運動を支援する会員を募集しているという。問い合わせは事務局(0776-30-0092)へ。


2002-3-9 愛媛県東予地域名物「やまじ風」で風力発電計画

 日本3大局地風の一つと言われる愛媛県東予地域の「やまじ風」を利用する風力発電所を、東京の民間会社2社が計画していることが、7日わかった。
 伊予三島市議会の代表質問に答えて、市側が明らかにしたもの。同市で今年から1年間、風の強さなどを調べるという。
 市側の説明によれば、年間平均毎秒6メートル以上の風が吹けば、1千〜1500キロワットが発電できるという。1500キロワット出力の風力発電機20基を設置すると、市内の約半数の世帯に電力を供給できると試算している。


2002-3-8 沈殿池で出力150キロワットの太陽光発電設備が稼働

 三重県磯部町恵利原の県企業庁志摩水道事務所磯部浄水場に太陽光発電設備が完成、6日から発電を開始した。計画最大出力は150キロワットで、東海地方の公共施設への導入としては最大とのこと。
 自然エネルギーの太陽光発電で二酸化炭素の排出量を抑え、沈殿池への太陽光を遮へいすることで、藻類発生を抑え薬品使用量を削減するのが目的という。
 総工費は約1億3000万円で昨年9月に着工、2月中旬に完成したもの。
 同浄水場は1日最大で4万1000立方メートルの水道水供給能力があり、1日平均約2万4000立方メートルを志摩郡5町約21500世帯に配水している。
 完成した発電パネルは1288平方メートルの面積があり、沈殿池の上部をすっぽりと覆っている。


2002-3-4 中部産業活性化センターが自然エネルギーの助成先募集
 中部産業活性化センター(名古屋市)は、自然エネルギーの利用促進を目指す「中部グリーン電力基金」の2002年度の助成策を募集する。対象は中部電力の管内で02、03年度に地方公共団体が設置する太陽光発電設備。助成額は1キロワット当たり5万円で、助成枠は280キロワットという。
2002.2.27 静岡県竜洋町が世界最大級の風力発電施設建設へ

 静岡県竜洋町は新年度、竜洋海洋公園内にローター(羽根)の直径が80メートル、定格出力1,900キロワットという世界最大級の風力発電施設を建設する計画とのこと。
 天竜川東河口に広がる竜洋町は、風が強い自然条件を生かし、風力発電の可能性を探ろうと一昨年11月から昨年10月まで、経済産業省の外郭団体「NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)」の補助事業として、風況調査を実施。地上高30メートルで年間平均秒速5.6メートルの風があり、風力発電が見込めることが分かった。

 新年度一般会計当初予算案に施設建設事業費として5億1千5百万円を計上。4月にも風力発電のフィールドテスト事業をNEDOに再申請、事業採択されれば、建設事業費の半分が助成される見込み。
 計画されている発電機の定格出力は1,900キロワットと現在、国内で計画されている風力発電施設としては最大で、1,200世帯分の電力を発電可能という。町では発電電力の一部を公園内の施設に使い、残りを電力会社に売電する計画とのこと。


2002.2.25 GEがエンロン風力発電部門を買収

 米複合企業大手ゼネラル・エレクトリック(GE)傘下の発電事業部門、GEパワーシステムズは、経営破たんした米エネルギー大手エンロンの風力発電部門、エンロン・ウィンドを買収することを発表した。

 エンロン・ウィンドは、風力タービンメーカーとしては世界7位、米国内2位。年間売上高は、エンロンに買収された1997年の5000万ドルから、2001年には7億5000万ドルに膨らみ、黒字を維持している。
 約1500人の従業員を抱え、米国、ドイツ、スペインに工場をもつ。風力発電市場は、規模は小さいものの、クリーンな代替エネルギーとして注目を浴び、ここ数年間では大きく伸びているという。


2002.2.24 佐賀県がクスノキ約14万本分の太陽光発電システム設置!?

 佐賀県は2002年予算として、重点施策・新世紀プロジェクトとして、省エネと県民への啓発とを目的に、唐津と鳥栖の総合庁舎への太陽光発電システム設置費1億961万円を計上した。
 建設する設備は、発電容量40キロワットの太陽光発電設備で、各庁舎の電力使用量の約15%をまかなえ、閉庁日に生じる余剰分は電力会社に売る計画とのこと。
 県庁本庁舎(01年2月設置)、武雄総合庁舎(同12月設置)と合わせた二酸化炭素の削減効果は、高さ約10メートルのクスノキ約14万本に匹敵するという。


2002.2.24 埼玉県越谷市庁舎が年間CO2、357トン分の風力発電を購入!?

 越谷市は10月から市役所庁舎で、風力発電で作られる電力を購入することを決めた。
 市は東電や商社などの合弁企業である日本自然エネルギー会社と契約し、秋田県鹿角市の風力発電所で製造された電力を購入する。
 契約期間は10月から15年6カ月間で、02年度が50万キロワット、03年度以降は100万キロワットとなる。

 試算では、二酸化炭素(CO2)の削減量は年間357トンで、市の温室効果ガス削減計画によると、5カ年(01年度〜05年度)のCO2削減目標は、累計で5%605トンとなる。
 風力電力を導入すると、5カ年削減目標の59%に当たる357トンが毎年、削減できるとされ、全国の自治体で初の事例になるという。


2002.2.13 NEDOが産業等用太陽光発電フィールドテスト事業の公募を開始

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)では、産業分野等における太陽光発電導入の有効性の実証と、本格的普及にむけたシステムの標準化および多様な導入形態への対応を目的として、平成14年度産業等用太陽光発電フィールドテスト事業(共同研究事業)の公募を2月12日より開始した。
 応募条件は、各企業・団体等の準備する場所において、太陽電池の合計出力が10kW以上で、以下の2つのタイプに該当するシステムを導入する具体的な計画を有していること。
1)標準化推進型…10kW単位インバータ(標準化されたユニット)によるシステム
2)新形態利用型…薄膜型太陽電池等の利用、屋根・壁面等への建材一体型太陽電池等の利用によるシステム

 応募締め切りは、平成14年4月19日(金)までとのこと。
 詳しくは以下のアドレス参照。
https://www.nedo.go.jp/informations/koubo/140201/140201.html


2002.1.26 大阪の生協が最新の太陽光電池で省エネ

 太陽光発電など省エネの工夫を凝らした生活協同組合の配送センターが大阪府寝屋川市に完成した。同配送センターでは、屋根一面を覆う太陽光電池で最新の技術によって従来より発電効率が、30%アップし平均的家庭の10軒分の発電が可能とのこと。

 この配送センターは、大阪市と北河内7市をエリアとする生活協同組合が建設したもので、総工費およそ2億5千万円。
 配送センターでは太陽光発電の他にも小型の風力発電機を2台使い、自転車置き場の照明に使われている。また、明るさを自動的に調節するセンサー付きの照明や、夏場の太陽光を30%吸収し冷房の電力を節約する熱線吸収ガラス使った窓など省エネのためのさまざまな工夫が取り入れられているとのこと。


2002.01.23 石川島播磨重工業が太陽電池製造装置事業に参入

 石川島播磨重工業は、NECの子会社アネルバ(東京都府中市)から、太陽電池用プラズマCVD装置技術を取得し、太陽電池製造装置事業に参入することを発表した。
 太陽電池のコストダウンにとって重要な課題である薄膜型製造技術を買収し、薄膜太陽電池の普及へ向けた対応を強化するという。

 日本の太陽電池市場は、国の方針では現在の22万キロワットを10年後には500万キロワットへ拡大することとなっている。
 今後のコストダウンの実現で薄膜太陽電池は500万キロワット達成時点で全体の60%まで増加する可能性があるとのことで、同電池製造の核となるプラズマCVD(PCVD)装置は10年間で100台程度の需要が見込まれているという。

 同装置は従来方式と比べ、高圧力・高周波の領域で運転することにより、高速で高品質の成膜を可能にしており、大型化と量産化にも向いているとのこと。
 同社では年間2―5台の装置の販売を目指すという。
 太陽電池市場には重機メーカーでは三菱重工業がアモルファス太陽電池の自主開発で、川崎重工業は米製技術の導入によりシリコン系で参入している。


2002.1.22 福井市の市民団体が太陽光発電所2号機設置へ向けて学習会

 福井市の市民団体「ふくい市民共同発電所を作る会」(代表・松尾斗伍郎福井大名誉教授)は、太陽光発電システムについての理解を深めるため、19日、福井市大手の県民会館で、シャープ、三洋電機など太陽電池メーカー五社の担当者を招いて、学習会を開いた。

 担当者は「発電した電力を、電力会社に売ることが可能で、約10年で設置費用を回収できる」などと太陽光発電の利点や技術力をアピール。約50人の出席者からは、耐久性や設置費用、積雪時の発電能力などについて質問が出て議論がなされた。

 「ふくい市民共同発電所を作る会」は市民約30人が出資して、2000年10月に、福井市半田町に共同太陽光発電所の1号機「文殊山」(出力3.45キロ・ワット)を設置した。
 今年3月には、同市板垣に2号機を設置する予定で、今回の学習会での知見を2号機の太陽電池選定の参考にするという。


2002.1.21 三菱電機が研修事業と増員で太陽電池を拡販

 三菱電機は住宅のリフォーム需要をテコに太陽光発電装置を拡販する。
 政府の財政支援もあり、太陽光発電は徐々に住宅向けに普及し始めているが、新規住宅の着工減で需要の伸びは鈍化している。
 一方で、リフォームに伴う太陽電池の設置は増えていることから、手薄だったリフォーム需要を開拓してシェア倍増を目指すという。

 三菱電機は2003年3月期から飯田工場(長野県飯田市)での太陽電池の生産量を現在の2倍の年間25メガ(メガは百万)ワットに増やすとのこと。
 2000年時点で、9.3%と三洋電機に次いで国内4位に止まっているシェアを20%に倍増させ、3位への浮上をねらう。
 子会社の販社のスタッフを20人から60人に増強するとともに、「住環境技術講座」と呼ぶ研修を全国の工務店やリフォーム店の技術者を対象に実施するという。


2002.1.16 シャープが太陽電池の生産を増強

 シャープは、太陽電池の今年の増産計画を発表した。7月には、太陽電池の生産を現行の1.6倍の年間148メガワットに拡大し、年末までに200メガワット(現行のほぼ2倍)に増やす。 
 太陽電池は新庄工場(奈良県新庄町)に7月までに60億円を投じてラインを増設する。
 世界の需要増加を踏まえて輸出の拡大を見込み、年末までに50億円弱を追加投資して生産能力を200メガワットにする方針とのこと。

 シャープは太陽電池生産量で現在世界第一位。大幅な増産で、2位の京セラなどを引き離したいとしている。
 2003年3月期の全体の設備投資額は、今期横ばいの1300億円となる見通し。
 また、10日付けで太陽電池を担当するソーラーシステム事業部を事業本部に格上げして事業の拡大をはかるという。


2002.1.10 三洋電機が太陽電池による巨大モニュメント建設

 三洋電機は、設立五十周年の記念建造物として、巨大太陽光発電システム「ソーラーアーク」(岐阜県安八町に建設)を来年4月から本格発電を開始すると発表した。

 発電した電気料金相当額を原資として、02年4月には「三洋エコ基金財団」を設立して、地球環境保全活動にあてるという。
 ソーラーアークは、全長315メートル、高さが37メートル、総重量3千トンで、箱舟をイメージして建設されたもので、総工費は約33億円、年間発電量は53万キロワットアワーと、モニュメントとしては世界最大の発電量となる予定。
 ソーラーアーク内には太陽光発電の知識を楽しみながら学ぶことができる太陽電池科学館も開館される予定とのこと。

 ソーラーアークでは、昨年秋に発覚した太陽光発電システムの不良品販売問題で回収した出力不足の太陽電池を全面使用し、「問題を真摯に受け止め、風化させない」ための決意という。


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