2001.12.5 住友商事が酒田北港風力発電事業・1万6千キロワットを計画
住友商事は、酒田市の酒田北港で計画している、風力発電事業について、設置基数を当初計画の6基より2基増やし、8基とすることを酒田市に伝えた。総発電能力は、当初の最大1万2千キロワットから最大1万6千キロワットにアップする。
同社は、酒田北港護岸部の水路沿いに、最大2千キロワットの発電能力を持つデンマーク製大型風力発電機6基を300メートル間隔で建設する計画を5基に減らす一方、隣接する宮海海水浴場の北側の海岸に3基設置する。
同社は、02年春に東北電力が実施する大規模風力発電の電力供給事業者向けの入札に参加して販売契約を結んだ後、建設工事に入る予定で、計画では、02年秋から一部工事に着手し、04年に電力の販売を始めるとしている。
発電機を新たに設置する海岸は、県企業局が風力発電の事業化の可能性を独自に調べていた場所だったが、事業化に向けた民間企業の動きが活発化していることから今年5月で事業化の検討を打ち切り、得たデータについては民間に開放していたもの。
2001.11.29 太陽電池が発熱体に!?新潟のメーカーがエコロジー融雪機器を開発
新潟県六日町の融雪施設メーカー「新潟アトラス」は、兵庫県尼崎市の精密機器メーカー「園田計器工業」とともに太陽電池を利用した「エコロジー融雪システム」を共同開発し、このほど販売を始めた。
「エコロジー融雪システム」は、太陽電池パネルに電気を流すことでパネルそのものを発熱させる技術を利用したもの。太陽電池パネルの中にセンサーやヒーターを埋め込み、発電と融雪機能を併せ持っている。
屋根に設置した太陽電池は、通常は太陽光を受ける発電機だが、センサーが降雪を感知すると、電力会社からの電流でパネルが発熱し、屋根雪を溶かす仕組みとのこと。
設置費用は70平方mで約五百万円と高めだが、一冬の融雪にかかる電気代(約五万円)と同額を節約できるという。また、ボイラーを使った温水融雪や電気ヒーターに比べ、維持コストが低く、長い期間で見ると経済的だとのこと。
2001.11.28 グリーン電力導入・地域間で格差10倍以上
電力業界の呼びかけで昨年10月に始まったグリーン電力制度は、今年10月末で契約総数4万9427口となり、全国の一般家庭契約数(約5千7百万口)の0.09%となった。この基金をもとに、全国の学校などで、風力発電14件、太陽光発電38件の設置助成が行われたという。
東京電力管内で基金を管理する広域関東圏産業活性化センターによれば、東京電力管内で個人からの寄付金(1口月5百円)総額は6500万円に達しているという。
全国でみると、最も加入率の高いのは東北電力で0.2%、九州電力と東京電力が0.09%、と続いており、低位のグループには、関西電力(0.02%:1口500円換算)、中部電力・沖縄電力(0.02%)が含まれている。
このうち、関西電力では、1口月500円では加入者が集まりにくく、1口月100円に下げた経緯がある。
グリーン電力基金に参加しても、ステッカーが1枚もらえるだけで、実質的な見返りがなく、今後、業界全体でも新規加入を増やすのは難しいのではと考えられている。
2001.11.12 自然エネルギーだけで野外コンサート開催!?
自然エネルギーのみを使ってテクノ音楽を演奏する野外ライブが、茨城県のつくば科学万博記念公園であった。シンセサイザーのエネルギー源は手こぎ式発電機、エレキギターには簡易水力発電機や自転車の発電装置など、ファンが様々な方法で充電した電池約280本が使われた。
企画・演奏はテクノミュージシャンの平沢進さん。一人で電気を起こし、楽器を持ち替え、歌もうたう。上半身には動きに応じて音が変わる機械を装着して、忙しく立ち回った。
大音量は望めないためFM電波で会場に演奏を流し、約600人の観客は持参のヘッドホンやイヤホンで楽しんだ。あいにくの雨のため、太陽電池は使えず。前もって蓄電しておいた電力を使って演奏。アンコール1曲を残してこれも底を尽き、バッテリー切れの「ピー」という音とともにライブは終了した。
2001.11.1 兵庫の中小同友会異業種7社、太陽光発電普及へ結束
兵庫県中小企業家同友会に属する異業種7社がコンソーシアムを結成し、太陽光発電の普及促進事業に取り組むこととなった。兵庫県が創設した「循環型社会先導プロジェクト」に認定され、資金補助を受けて進める。
電機メーカーの新星電気(神戸市長田区)が中心となり、太陽光共同発電所の建設や、中小企業向け省エネ機器開発などを手掛けるという。同友会の自然エネルギー推進グループが資金を分担するほか、NPO(非営利団体)法人なども協力することで、全国的にも珍しい組織となる。
計画中のプロジェクトは、1)市民団体が運営する太陽光共同発電所の建設、2)効率よい省エネ技術で太陽光発電を促進する事業、3)太陽光を活用した再生利用機器開発の3事業。
このうち太陽光共同発電所は、NPO法人のコミュニティ・サポートセンター神戸(CS神戸、神戸市東灘区)が建設を予定しており、同コンソーシアムはCS神戸をはじめ市民グループと連携しながら低コストで発電所を建設するとのこと。
2001.10.24 住友商事がアジア最大の太陽光発電建設を受注
住友商事は22日、フィリピンの配電会社「CEPALCO」から、発電容量千キロワットの太陽光発電プラントの建設を受注したことを発表した。
フィリピン・ミンダナオ島の約2万平方キロメートルの敷地に約6千枚の太陽電池パネルを設置するもので同国で初、アジア全体でも、1カ所にパネルを集める形ではおそらく最大の発電所となるという。2002年秋には完成の予定とのこと。
2001.10.20 北海道ガスと北大が家庭向け燃料電池コージェネの実証試験
北海道ガスは北海道大学との共同研究として、荏原バラード社(東京)が製造する1kWの高分子固体電解質型燃料電池(PEFC)を使った家庭向けコージェネレーションシステムの実験機を設置し、2001年10月1日から実験を開始したと発表した。
今年の11月末までに同システムの基本性能の確認を済ませ、北海道大学内の実験住宅において、太陽光発電や風力発電、太陽熱温水、土壌採熱などの自然エネルギと組み合わせた「住宅用ハイブリッドエネルギーシステム」の研究を2003年度まで実施するとのこと。
燃料電池は、10年ほど前までは、第一世代のリン酸型(発電効率40%以上)、第二世代の溶融炭酸塩型(発電効率45%以上)、第三世代の固体電解質型(発電効率50%以上)の順番で導入されるとみられていたが、カナダのバラード社が低価格の固体高分子電解質膜を開発してから、固体電解質型が商用導入の最有力候補と見られている。
2001.9.9 三菱電機、採光型の太陽電池モジュールを市場投入
三菱電機は図書館などの公共施設や工場などの産業向けに太陽光発電システムの拡販を図る。2003年度に発電量で5千キロワット、50億円の販売量に引き上げるとのこと。
具体的には、建物のひさしや壁、トップライトなど建物の一部として設置可能な採光型の太陽電池モジュールを新たに開発、9月21日から市場に投入することとした。
採光型の太陽電池モジュールは、合わせガラスと合わせガラス複層タイプの2種がある。
ガラスの間にセルを入れるが、セルとガラスにすき間があり、その間から光がさし込む構造となっている。 現在、太陽光モジュールは屋根に架台を取り付けて設置するケースが多いが、屋根以外の建物の一部として設置したいという顧客ニーズに対応したとのこと。
2001.9.8 青森県東通村に国内最大級の風力発電所が完成
下北半島の東通村岩屋に、国内最大級の風力発電所「岩屋ウインドファーム」(最大出力3万2500キロワット)が完成し、5日から試験運転を始めた。11月に商業運転を始め、発電した電力は東北電力に売電する。
岩屋地区には、冬は北西、夏は南東の良好な風が吹いていることが2年がかりの風況調査で、わかり、商社トーメンの子会社「トーメンパワー下北」が昨年10月に着工した。
津軽海峡を望む小高い山の尾根伝いの5・5キロに、25基の風車発電機を建設し、支柱の高さは68メートル、3枚羽根の直径は62メートルで、羽根先端部の最高点は地上99メートルに達する。羽根は毎分19回転の低速で、騒音に配慮した構造になっている。
今後、さらに太平洋側の隣接地に発電機11基を建設する計画があり、2年後の完成を目指しているという。
2001.9.7 岩手県葛巻町の風力発電・日本野鳥の会が要望書を提出
電源開発(電発)は、岩手県葛巻町上外川地区の標高約1100メートルの牧野に計画している「くずまき風力発電所」(仮称)の建設を葛巻町に、正式に申し入れ、了承された。
1基当たりの出力では国内最大の1750キロワットの発電装置を12基並べ、東北電力に売電する計画で、電発は今月中旬に町内に事業会社を設け、着工する予定とのこと。
計画では、年間発電電力量は5400万キロワット時で一般家庭1万6千世帯の年間消費電力量に当たり、総事業費は47億円。03年12月に運転開始予定で、設置用地は町が貸すことになる。
風車はデンマーク製の予定で、直径66メートル、それを支える鉄柱は高さ60メートル。当初、風車は28基の予定だったが、鳥類への影響を考えて12基に減らし、その分単機出力を上げた。
場所は長さ約4キロの尾根沿いだが、3地域に分けて立てることで鳥が通り抜けやすいようにしたとしている。
昨年7月から1年間の希少猛きん類の調査で、送電線の計画地にクマタカの巣が確認されたため、巣をう回するようにルートを変更した。
これ対して、日本野鳥の会県連絡協議会(遠藤公男会長、会員約600人)は5日、建設中止を求める要望書を増田寛也知事あてに提出した。
要望書は「建設予定地はイヌワシやノウサギの生息圏で、風車設置によってイヌワシが衝突事故を起こす恐れがある」としている。
2001.9.3 北海道・松前小島灯台が太陽光と風力で稼働(全国初)
北海道・松前沖24キロに浮かぶ松前小島の灯台が、電源に太陽光と風力を複合利用した「ハイブリッド方式」の発電に生まれ変わった。ハイブリッド方式の灯台は、松前小島が全国で初めてで、年内には別の全国3カ所の灯台でも運用が始まる。
太陽光発電の灯台は既に国内にあるが、松前小島灯台は太陽電池パネルを置くスペースが十分に確保できないことから、小型で高性能の風力発電装置と合わせたハイブリッド方式が採用された。
同灯台では、これまで、ディーゼルエンジンの自家発電だったが、自然エネルギーの導入により、燃料運搬の必要もなくなり、管理も自家発電に比べ簡単で、環境保護対策にもなる。
工事は1億2千万円かけて2月下旬から行われ、3月30日から運用を開始した。これまで3台あった発電機のうち1台は、バックアップ用として残してある。
設置された発電機は、風力が出力2キロワット、太陽光が同3キロワットの計5キロワット。
風車は灯台のわきに建てられ、高さが12メートル、羽根の直径は4メートル。太陽電池パネルは、縦85センチ、横1メートル70センチのものが灯台の敷地の南側に18枚設置されている。
施設内には蓄電池も備わっており、夜の無風状態でも明かりをつけられる。
電源の供給や電圧の監視、充電はコンピューター制御で無人でできる仕組みになっているという。
2001.9.1 京セラが正社員約200人を太陽光発電事業にシフト
京セラは、グループ全体で約5万1000人の社員の約2割に当たる1万人規模の人員削減を年内にも実施する方針を明らかにした。
対象は米国など海外の子会社の現地採用職員などが中心という。
情報技術(IT)不況の長期化に伴い、悪化した業績の立て直しが狙いで、国内では契約社員を大幅に減らすほか、正社員約200人を再教育し成長の見込まれる太陽光発電事業などに配置転換するという。
2001.8.27 奈良県の小学生がチェリーの色素で太陽光発電を体験
植物の色素を使った太陽電池の開発に取り組んでいるシャープは、小学生向けにアメリカンチェリーを使った太陽電池の工作教室を奈良県・天理工場で開催した。
夏休みの自由研究にと集まった地元の小学生約150人がこれまでに参加したという。
シャープの担当者によれば、子供たちに最先端技術に親しんでもらい、環境問題にも関心を持ってもらうことが目的とのこと。
これは、植物の光合成と同様に、光が当たると色素が光を吸収し、電子を放出する性質を利用したもので、「色素増感型有機太陽電池」と呼ばれている。
工作教室では、二枚のガラスの間にアメリカンチェリーの果汁を染み込ませた簡単な装置を作り、光を当てて発生する電気を動力にして、羽根車を回す。
アメリカンチェリーのほかハイビスカスの花びらの色素でも発電できることが分かっており、低コストの次世代太陽電池として注目されている。
しかし、今のところ光から電気にエネルギーを変換させる効率が悪く、シャープのほか東芝、富士写真フイルムでも研究開発が進められているとのこと。
2001.8.22 北海道で市民風力発電所9月に稼働へ
日本初の市民出資の風力発電所の本体工事が、9月の操業開始をめざして、北海道浜頓別町で始まった。
非営利組織(NPO)「北海道グリーンファンド」が99年、「コーヒー1杯分(約400円)を拠出して市民の風車を」と呼びかけて、各家庭の毎月の電気料金に5%を上乗せした金額を会員から預かり、建設基金を積み立ててきたもの。
基金に加えて出資(1口50万円)も募り、株式会社・北海道市民風力発電を設立。「市民風車サポーターの会」も発足して、工費約2億円の約7割を集めたとのこと。
風車の建設は3月末、浜頓別町で着工され、本体はデンマーク製で発電容量1000キロワット、タワーの高さは60メートル、3枚の羽根の円の直径は54メートル。
計画によると、風車1基の電力は年間約260万キロワット時で約900世帯の1年分の電気が賄える計算とのこと。8月中に組み立てを終えて試運転し、9月10日から営業運転の予定。
発電した電力は北海道電力にすべて売却し、年間約3200万円の収入を見込んでいるという。
2001.8.21 グリーン電力証書システムが9月に始動
企業や団体が使う電気を、風力発電などの自然エネルギー発電でできたものに転換したとみなす「グリーン電力証書システム」が9月から開始される。
ソニーが第1号の顧客となり、千葉県銚子市にできた風力発電所の電気を購入するという。
実際には、風力発電所でできた電気は地元の電力会社が買い取り、契約企業が使う電気も従来どおり電力会社から供給を受けるが、風力発電にかかるコストの高い分を企業が負担することで、使用電力を風力に転換したとみなす仕組み。
全国の電力会社や商社などが出資する「日本自然エネルギー」が運営し、企業や団体から風力発電の委託を受ける。
企業にとっては自ら発電設備を作ることなく、自然エネルギーの育成に貢献できることになる。契約企業に対しては、環境対策に取り組んだ証拠として「グリーン電力証書」が発行され、企業イメージの向上に役立てることができる。
ソニーは銚子市にある1500キロワット(kW)の風力発電所の電気を買う。大阪・心斎橋にあるショールーム「ソニータワー」1棟分の電力がまかなえる計算で、ソニーはここを拠点に環境への貢献をアピールしていく考えとのこと。
ソニータワーでは今年度、約180万kWの電力を使う予定で、負担する差額の電気代は年間七百数十万円となるとのこと。
このほか、トヨタ自動車やアサヒビール、日立製作所など、計20社が契約。今秋にも秋田県能代市に建設される風力発電所(24基、1基あたり600kW)で順次、発電された電気を引き受けるという。
2001.8.20 CO2排出権取引が注目を集める
ボンで7月に開催された地球温暖化防止会議では、CO2など温暖化ガスの排出量削減を盛り込んだ京都議定書の運用ルールが大枠で合意に達したことを受け、二酸化炭素(CO2)などの排出量を有償で融通し合う「排出権取引」が企業の関心を集めている。
三菱商事や三井物産などが排出権を売買する仲介会社を設立したり、模擬取引を実施するなど、取引関連ビジネスに進出している。大量の温暖化ガスを排出するエネルギー関連企業なども関心を寄せている。
一方、東京三菱証券は、日本自然エネルギー、太平洋セメント、荏原総合研究所など日米欧の有力企業19社と、温暖化ガス排出削減証書取引の実現を目指して研究会を発足、9月からパイロット案件の選定作業を開始するという。
研究会には他にファーストエスコ、三菱総合研究所、電源開発、環境省国立環境研究所や米エンバイロメンタルディフェンス、英エコセキュリティーなどが参加しているという。
同研究会は、温暖化ガス削減プロジェクトごとに排出削減量を測定して取引する排出権取引を日本で初めて実行しようというもので、最終的には国に同メカニズムの実施を働きかけていくとのこと。
2001.8.6 日本システムバンクがエコ駐車場を全国展開
福井市にある日本システムバンクは8月から、太陽光発電と風力発電を利用したコイン式の時間貸し駐車場「エコパーク」の全国展開に乗り出した。
この度、金沢市大手町のガソリンスタンド跡地を取得し、第一号をオープンした。
地価の下落傾向を好機ととらえ、今後二年で約300カ所の開設を目指すという。
エコパークは太陽光発電と風力発電を組み合わせた高さ4.1メートルのハイブリッド発電装置を設けるのが特徴で、夜間照明など一部の電気をまかなう。
コイン式料金精算機と自動車のロック装置を設置し、今回は十五台分のスペースを確保した。
今後は、駐車場内に芝生や花木を敷設する緑化システム、電気自動車の充電設備などを導入したエコパークも計画しているという。
2001.8.4 三菱電機が太陽電池生産能力を増強し、新商品も開発
三菱電機は10月をめどに長野県飯田市にある飯田工場の太陽電池生産能力を年10メガワット増やして年25メガワットに引き上げると発表した。
投資額は5億円前後とみられ、同工場の既設建屋にモジュール製造設備を追加導入する。
2000年度の同社太陽光発電システム事業の売上高は40億円で、国内住宅用システムの市場占有率は15%を占める。
同事業売上高を01年度に60億円、02年度には100億円に引き上げ、03年度までに国内住宅用システムのシェア30%獲得を目指し、2002年度中にはモジュール生産能力をさらに年30メガワットに拡大する方針という。
一方、同社は太陽電池モジュールを同社従来品比15倍の822通りに配置できる寄せ棟屋根用太陽光発電システムを10月21日に発売すると発表した。
回路ごとの電圧を調節する昇圧ユニットを使って、各回路に5―15枚まで異なる数のモジュールを直列配置できるようにしたもので、モジュール30枚(太陽電池容量2・81キロワット分)、昇圧ユニット内蔵接続箱、パワーコンディショナーのシステムで工事費を除く価格は236万円という。モジュールを1段ごとにずらして屋根に取りつけられる部材を採用したことで、横幅が一定でない寄せ棟屋根の形状に合わせた配置パターンを可能にしたとのこと。
2001.7.14 ホンダが太陽電池を使い水から水素つくるシステムを開発!
ホンダは、太陽光を使って水から水素をつくり出す水素製造ステーションを開発したと発表した。
米カリフォルニア州で試験走行している燃料電池車に供給するのが目的で、7月初めから、現地の研究施設で実験稼働を始めており、自動車メーカーでは初の試みという。
太陽電池で電気を発生させ、水を水素と酸素に電気分解し、酸素は空中に放出、水素を高圧圧縮して車に供給する。
新設した設備はシャープ製の市販の太陽電池66枚(面積で90平方メートル)で発電、水を電気分解して発生させた水素を250気圧に圧縮してタンクに貯蔵する。1年間に250気圧の水素を7600リットル製造でき、現在のホンダの燃料電池車1台の年間必要量に相当するという。
自動車メーカーは現在、ガソリンやメタノールから車の中で水素を取り出す技術を研究している。しかし、化石燃料の枯渇や二酸化炭素排出量の増加などを回避するため、最終的には、水素スタンドから水素を直接供給する方式が有力とみられている。
FCEVの実用化には燃料供給インフラの整備がカギを握るため、自動車メーカー自らエネルギー関連技術の蓄積が必要と判断したという。
2001.7.10 富士重が風速2mから発電可能な小型風力発電機を量産
富士重工業は高効率の小型風力発電装置を量産すると発表した。
これまでの風力発電装置は風速が最低毎秒3-4メートルないと発電できないが、新型装置は風速に応じてプロペラの角度を最適な向きに変える機能を取り入れ、2m/秒の風でも発電できるようにしたという。
強い風が少ない大都市周辺でも設置できるため、風力発電が可能な場所が現在の10倍程度に広がるとの見方もあり、3年後に100カ所への設置を見込んでいるという。
「スバル小型風力発電システム」と呼ばれるシステムは高さ、30メートル、プロペラの直径は15メートルで発電能力は40キロワット。価格は建設費を含めて約4000万円とのこと。
このほど受注活動を始め、年内をめどに量産するという。
航空機の製造技術を応用し、風の強さに応じてプロペラの角度や回転速度を自動的に変えられる「可変速ピッチ制御機能」を搭載している。
プロペラ形状も工夫し、秒速2メートルの風でも発電できるようにした。これまでより弱い風でもプロペラが回るため、発電装置の稼働率も従来機に比べ最大7倍に高まるという。
2001.7.7 岐阜県の多治見中学校で40kWの太陽光発電設備が稼働
「エコスクール」として校舎が建て替えられた多治見市の市立多治見中学校(安藤功二校長)で、屋上に設置した太陽光発電(40kW)が4月から発電を始めている。5月7日から6月4日までの発電量は3786kW時で使用電力の約2割をまかなったという。
同中学校の太陽光発電は、一つは体育館屋上に設けた屋根材一体型のアモルファス型の30kWの設備。長さ5・44メートル、幅50センチのパネルが200枚からなっている。
もう一つは校舎3階の廊下屋根や屋上に設置された、結晶系10kWの設備で、パネルの大きさは長さ約1・2メートル、幅53センチで、120枚を取り付けている。
費用は関連設備も含め、約6200万円とのこと。
5月7日から約1カ月の総発電量は3786kW時。このうち3408kW時は校内で使った。不足分は中部電力から買い、逆に休日などで余った378kW時は中部電力に売電しており、電気代でみると、売電は5349円。
購入した電気代は36万7490円だった。
1階には発電量などを表示するパネルが設けられていて、科学・文化部の生徒たちが毎日記録している。
同中学校の校舎は太陽光発電のほかにも、屋上の自然観察園や雨水利用など、多くの「エコ」対応が図られており、視察者も多いという。
2001.7.5 北海道のはまなす財団が自然エネルギーの基金振込口座を開設
財団法人北海道地域総合振興機構(はまなす財団)は、太陽光発電や風力発電などの自然エネルギーを支援するための北海道グリーン電力基金向けの専用振込口座を設けた。
これまでは、一般家庭向けなどに電気料金を集金する時に、一緒に口座振替で集めていたが、法人などから口座振り込みによる支払いの提案がされていた。
振り込み方法は一口5百円以上(何口でも可)。
ただし、振込手数料は自己負担とのこと。
問い合わせは、同財団北海道グリーン電力基金事務局
(Tel:011-205-5011)へ。
2001.6.12 太陽電池主力メーカーが太陽電池を増産!?
最近の太陽電池の需要拡大に伴い、主力メーカーがの量産競争が激しくなっている。
三洋電機は洲本工場(兵庫県洲本市)などで増産し、来年度には現在の約2倍の3万3千キロ・ワットの生産体制を整える。
シャープでは新庄工場(奈良県新庄町)で今月、55億円を投じた太陽電池の新ラインが完成し、既存の3ラインを含め、新庄工場での太陽電池生産量は発電量換算で世界一の9万4千キロ・ワットになるという。
京セラは4月、八日市工場(滋賀県八日市市)で当時世界一の年間7万キロ・ワットの体制を整えたばかりだが、わずか2か月でシャープに抜かれることとなった。
各社増産の背景には、住宅用太陽光発電への国の補助金が、前年度より3割以上も増え、市場が一気に拡大することが背景にあるとのこと。
2001.6.1 住宅メーカーの太陽光発電システム価格が低下傾向!?
ミサワホーム、積水化学などの住宅用太陽光発電システムの価格が下がってきている。
これは、太陽電池メーカーの量産体制が整ってきたことが影響しているが、太陽光発電に対する国の補助制度が来年度で打ち切られることも影響しているらしい。
国の太陽光発電システム設置補助事業の始まった1994年には、1kWあたり、平均価格200万円であったものが、平成12年度は平均84万円。今年は更に、低価格のシステムが市場に投入される見通しである。
ミサワホームは、今年度の第一四半期のキャンペーン価格として、1kWあたり40万円台の屋根材一体型システムを市場に投入している。同社によれば、出力3kWの屋根材一体型システムは面積約30平方メートル強となり、これを本がわらに換算すると約80万円となることから、太陽光発電システムを高級屋根材として売り込む方針とのこと。
積水化学工業が、今年4月に住宅「パルフェ・デュラストーン」に標準搭載した太陽光発電システムは、出力3kW・工事費込みで160万円(1kWあたり53万円)。
両者ともに、昨年のkWあたりの平均価格を大幅に下回っている。これは、太陽電池メーカーの量産体制が整ったことによる、太陽電池そのものの価格低下に加え、これまで、太陽光発電システムを現場へ運んでから設置していたものを、工場で屋根材に組込むことが可能となったことによる。
新エネルギー財団(NEF)の実施する住宅用太陽光発電システム補助事業の平成13年度予算枠は、235億円で前年の約3割増となっており、出力1kWあたり12万円の補助で、約5万2千件の利用を想定しているという。この補助金制度は平成14年度で打ち切られることとなっており、各社ともシステムの低価格化を図ることで、補助金なしでも販売できるようにする意図もあるとみられている。
2001.5.30 新エネルギー供給を2010年に3倍に?
経済産業相の諮問機関である、総合資源エネルギー調査会・新エネルギー部会は、2010年度陽光・風力発電等の新エネルギー供給量を原油換算で99年度より1,217万kL増の1,910万kLとする報告書をまとめた。
この新エネルギー導入目標では、エネルギー供給量全体に占める割合が3.2%となっており、99年時点(1.2%)の3倍となる。
内訳をみると、99年度実績から、風力発電量が38倍の134万kL(原油換算)、太陽光発電が23倍の118万kLとなっており、かなり意欲的な内容。 その他、雪や氷を貯蔵して冷房などに活用する「雪氷冷熱エネルギー」などの未利用エネルギーも14倍に増やすとともに、需要面では、メタノールや天然ガスを燃料とする「クリーンエネルギー自動車」の台数を99年度の53.5倍にする予定とのこと。
新エネルギー普及策としては、新エネルギーによる電力を証券化し、電力会社などに購入させる「グリーン証書制度」の導入を盛り込んでいる。
これらの政策により、CO2排出量を90年度より、900万トン削減できるとしている。
2001.5.29 東京湾で風力発電?! 石原知事が発言
環境をテーマにした、石原東京都知事と都民との「議論する会」が、5月28日開催された。
現在東京都の電力自給率が約6%と低いことから、「(電力供給について)東京は東京で努力しないといけない。」、「せめて風力発電をする。50〜60の風車を建てても東京の電力をとてもまかなえないが、一部にはなる。」と述べ、東京湾での風力発電に積極的に取り組む姿勢を示したという。
都民からは、「東京湾に風力発電をつくれば、“環境の東京”をアピールできる。」、「生ゴミで作った花で交差点に花壇を」など、さまざまなアイデアが飛び出し、知事も市民からのボトムアップの提案に前向きな姿勢を示したとのこと。
2001.5.20 太陽電池生産量が、前年比1.4倍の120MWに
太陽電池メーカーの推計によると、2000年度の太陽電池国内生産量が、前年費の1.4倍の120MWになった模様とのこと。
太陽電池生産量は、1999年度で約86MW(前年比5.5%増)、2000年度は120WWと大幅に増加した。
これは、政府の住宅用太陽光発電システムへの補助金の影響が大きいと考えられている。
政府の補助金は、1996年40億円、1997年111億円、1998年147億円、1999年160億円、2000年度178億円、2001年度は235億円と年々増加しており、政府の助成制度拡大に対応するように、太陽電池メーカーはシステム価格をこの4〜5年で半分以下にまで引き下げてきている。
ここ1〜2年は、シリコン原料の価格上昇など、不利な状況はあるものの、太陽電池の量産効果と技術開発、さらには、屋根材一体化の取り組みなどが、太陽電池の低価格化を促進しているらしい。
政府の補助金制度は2002年度を最後に廃止される見込みではあるが、メーカー各社は、補助金がなくても、十分に採算の合う商品開発を推し進めており、中には、2005年をめどにkWあたり、50万円を切るシステム開発を目指しているメーカーもあるという。
2001.5.18 世界の風力発電が2千万kW台と新設の原発を上回る?!
米国の風力エネルギー協会の発表によると、世界各地で大型の風力発電所の建設が続き、今年末の世界の風力総発電容量は、日本の原子力発電発電所約20基分に相当する、2千万kWを突破する見通しとのこと。
昨年新設された風力発電所の容量は380万kWで、同時期に新設された原発の容量305.6万kWを上回っており、新規発電容量で、風力発電が2年連続で優位にたったとのこと。
国別では、ドイツの約170万kWがトップで、スペイン、デンマークと続いており、現在の世界全体の風力発電容量は約1,700万kW、年間総売上額は、約40億ドル(約5千万円)に達しており、今年末の容量は、約2千2百万kWに達するものと資産されている。
発電コストも、最新の風力発電所では、3セント(約3.7円)/kW・時以下と、天然ガスや、原発の電力価格よりも有利になりつつあるという。
2001.5.12 電力会社の風力発電入札に募集枠の2倍の応募!
国内の電力会社5社の今年度分の風力発電の電力購入入札で。募集枠約20万kWに対して、2倍の約40万kWの応募があったことがわかった。これは現在の、風力発電の総出力量(13万kW)の約3倍にあたる。
今年度から入札を始めたのは、東京、中部、東北、四国、九州の5電力会社で、応募の多い順に東北(293,250kW)、九州(84,750kW)、中部(21,000kW)、四国(11,000kW)、東京(4,250kW)、合計応募22件で414,250kW(募集枠:195,000kW)となった。電力会社各社は6月末までに落札者を決定する。
風力発電の応募者は、総合商社、各地の地元企業で、応募数が増えた背景には、発電機の大型化による発電コストの低下、支援制度の充実があるものと考えられている。
2001.4.20 大手メーカーがハイブリッド太陽電池の生産を本格化
太陽電池メーカー各社で、電気変換効率を高めた、結晶シリコン太陽電池とアモルファスシリコン太陽電池のハイブリッド化太陽電池の開発が加速している。
アモルファス太陽電池は、太陽光の可視領域に、結晶系は赤外領域にそれぞれ感度が良いとされており、両者をハイブリッド化するとにより、太陽光の全波長域を利用することで高効率化をめざそうというもの。
三洋電機では既に、アモルファスシリコンと単結晶シリコンのハイブリッドシステムであるHIT太陽電池を実用化している。
鐘淵化学工業は、薄膜多結晶シリコンとアモルファスシリコンをハイブリッド化し、電機変換効率10%を達成した次世代薄膜ハイブリッド太陽電池の生産を関連会社で開始した。
三菱重工業でも、コスト大幅削減を目指して長崎造船所でアモルファス太陽電池の量産工場建設を開始しており、2002年には市場投入を計画しているという。
変換効率が8%の平均的なアモルファス太陽電池では、3kWの屋根一体型で、40平方メートルの面積が必要であるのに対し、変換効率10%では、30平方メートルで済むため、いずれのメーカーもハイブリッド化を強力に押し進めているという。
2001.4.19 NEFが住宅用太陽光発電補助事業者の募集を開始
経済産業省の外郭団体である、新エネルギー財団(NEF)は、4月23日から、平成13年度の『住宅用太陽光発電導入基盤事業』の募集を開始することを発表した。
この制度は、太陽光発電装置を一般家庭に設置する者に補助金を支給する制度。上期の申請募集は、4月23日から9月30日まで、下期分は10月1日から平成14年の1月31日までの予定である。
今年度上期分の補助額は、出力1kWあたり12万円で、1件あたりの上限を10kW未満とした。昨年度の第3次募集に比べると、1kWあたりの補助金は3万円あまり減額となったものの、昨年度の上限額60万円(4kW相当)だったものを、システムの大型化に対応して上限10kWまでとした。
また、今年度の予算額は、昨年度より57億円増加して、235億円とのこと。
2001.4.9 日本自然エネルギーが20社と風力発電契約
風力発電事業者と発電協力企業を仲介する、日本自然エネルギー株式会社(株主:電力会社7社他)は、企業向けのグリーン電力制度である、『グリーン電力証書システム』契約で、これまで、ソニー、セイコーエプソン、トヨタ自動車、アサヒビールなど20社と風力発電契約を結んだことを発表した。
20社の契約電力量は2550万kW時(一般家庭の7千件分の年間使用量)となり、15年間の風力発電契約となる。
日本自然エネルギーは、これら20社から受託した風力発電事業を、国内の3地点の風力発電事業者(2万3350kW)に再委託する。風力発電事業者は、日本自然エネルギーに対して発電実績を報告し、同社は20社に対して、グリーン電力証書を発行する。
一方、20社は、日本自然エネルギーに対して、仲介手数料を含め、1kW時あたり、4円程度の追加料金を支払うことになる。
今回対象となる風力発電事業社は、屏風ケ浦風力開発(千葉県銚子市)、東北自然エネルギー(秋田県能代市)、豊田通商系関連会社(秋田県鹿角市:14年設立予定)の3社とのこと。
2001.4.6 NEGミーコンが中・大型風力発電機の納入を強化
風力発電機の輸入販売を手がけるNEGミーコン(国内最大手)が、出力900kWを越える中・大型クラスの風力発電機の販売を強化する。これまでは、750kW以下の発電機が中心であったが、風力発電機の大型化の流れに対応する方針。
具体的な計画として、エコ・パワー社が青森県六カ所村で2002年に稼働を予定している国内最大の風力発電所に出力1500kW機を22基導入する他、新潟県で計画されている風力発電所に900kW風力発電機の納入が予定されているとのこと。
国内の風力発電量は平成12年に前年の2倍の15万kW以上となっており、発電所の規模拡大が進む中、発電コスト低減のため、中・大型機の設置が増えている。
国内市場でのNEGミーコン社は既に73基を導入(出力3万5千kW)し、シェアは、20%強のトップとなっているが全て750kW以下の中・小型機であったが、今後は750kW、900kW、1500kWの機種を中心に受注活動を展開するという。
2001.3.29 JR高崎駅で太陽光発電を開始
JR高崎駅では、ホームの屋根に太陽電池を設置して、駅の照明や空調などで使用する電気の3%を供給する。
同システムの導入費は約1億2千万円で、太陽電池の広さは、畳450枚分、一般家庭50件分の使用量をまかなえる規模という。これは、JR東日本と新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の共同研究の一環で、JR各社の駅に設置したシステムの中では最大となる。
2001.3.27 政府は2003年に『グリーン証書』発行制度で、自然エネルギー発電を義務化!?
経済産業省は、風力発電や太陽光発電等の自然エネルギー発電を促進するため、2003年から風力発電等を行った発電事業者に、自然エネルギーであることを政府が認証する『グリーン証書』を発行し、電力事業者に一定量を保有することを義務づける『グリーン証書制度』導入する方針を固めたとのこと。
本制度導入のために、政府は証書の取引市場を開設し、発電事業者は証書を取引市場で売却し、電力小売事業者は市場を通じて証書を購入できるようにするという。
当初は、電力販売量の3%程度を自然エネルギーでまかなうように義務づけて、相当分の証書を発行する。保有義務量を上回った自然エネルギー発電行った電力会社は、余った証書を取引市場で売却し、電力小売事業者に販売できるという。
政府は、全ての電力小売事業者に証書の保有を義務づけることにより、一層の自然エネルギー発電事業を促進する方針とのこと。
2001.3.10 風力発電にリスク低減の保険適用!
風力発電事業を展開する電源開発(株)は、風力発電の経営リスクを低減するため、風力変動リスクヘッジ保険の採用を決めた。対象は、北海道苫前町の3万600kWの風力発電事業で、期間は平成13年4月から、翌年3月末までとした。
同保険は、風速が十分得られなかった場合に発電量が低下するリスクを回避するもので、電源開発が複数の保険会社から風教リスクヘッジ商品の企画を募集したもの。提案の中から、東京海上火災が開発した、異常気象保険と天候デリバティブを組み合わせた「ウェザープロテクション」が採用された。
苫前町にある苫前ウィンビラ発電所は、年間平均風速6.6メートル、年間発生電力量5千9百万kW時(一般家庭1万7千世帯分)、設備利用率22%を前提に北海道電力に売電している。同保険では、年間予想売上額9億円に対して売り上げ減少額を最大1億円まで保証し、電発が支払う保険料は、年間1千万円という。
電発では、今後、秋田県仁賀保町の風力発電にも、保険制度を適用する予定とのこと。
2001.3.5 NEDOが「産業等用太陽光発電フィールドテスト事業」の公募開始
国の特殊法人である、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)では、産業分野等における太陽光発電導入の有効性の実証と、本格的普及にむけたシステムの標準化および多様な導入形態への対応を目的として、平成13年度産業等用太陽光発電フィールドテスト事業(共同研究事業)の公募を3月5日より開始した。
この事業は、各企業・団体等の準備する場所において、太陽電池の合計出力が10kW以上で、(1)10kW単位インバータ(標準化されたユニット)によるシステム(標準化推進型)または、(2)薄膜型太陽電池等の利用、屋根・壁面等への建材一体型太陽電池等の利用によるシステム(新形態利用型)の2つのタイプに該当するシステムを導入する具体的な計画を有している者に事業費の50%を補助する制度。
応募期間は平成13年3月5日(月)〜平成13年4月20日(金)(当日消印有効)。詳しくは、以下のホームページ参照のこと。
https://www.nedo.go.jp/informations/koubo/130305.html
2001.2.12 市民による風力発電事業に出資応募が殺到?!
日本初の市民による風力発電所建設を目指している非営利団体「北海道グリーンファンド」(札幌市中央区)が募集した出資金が、目標額の6千万円を大幅に上回る9千9百万円に達したことがわかった。
これは、2月10日に札幌市内で開かれた報告会で発表されたもので、同日付けで、事業の主体となる、「北海道市民風力発電」(資本金:2千5百万円)が設立された。
風力発電所は総工費約2億円で、宗谷管内の浜頓別町に3月から建設着工され、8月から稼働を予定している。同ファンドは、昨年12月から、1口50万円で出資を募ってきたが、2月9日までの時点で、198口(個人:186、法人:12口)の応募があったという。
同ファンドでは、北海道電力に売電して得る利益を出資者に還元するしくみとなっていることや、自然エネルギーに対するとりくみが多くの出資者の賛同を得た模様である。不足する資金は金融機関からの借り入れでまかなうものの、出資の受付は今後も続けるという。
2001.2.10 日本の太陽電池生産が連続日本一に!
米国の太陽電池業界氏によると、日本の太陽電池生産量が、2年連続で世界一になったことがわかった。日本全体の太陽電池生産量は、11万6千7百kW(家庭用で約2万9千軒分)、前年比46%贈となり、2位の米国(7万8千5百kW)を大きく引き離した。
企業別では、1位がシャープで生産量は前年比68%増の5万4百kW、2位は京セラで、4万2千kW、3位はBPソーラー(前回1位)で、4万千kWであった。また、6位には、三洋電機が入っているという。
日本の太陽電池メーカーの世界シェアは42%で、米国を大きく引き離しており、国の住宅用太陽電池の補助金制度により国内需要が急速に伸びていることが好影響を及ぼしているとみられている。
2001.2.3 九州電力が4−5月に風力発電の入札を実施
九州電力は、事業用の大規模な事業用風力発電による買電入札を4−5月に実施する予定であるとのこと。
これは、昨年開始されたグリーン電力制度導入に伴うもので、2001年から2002年度にかけて運転開始する予定の風力発電設備を対象とし、入札規模は5万kW以上である。九電では、今後3年間で、15万kWの風力発電による買電入札を行う予定で、2月27日に、詳細な入札説明会を実施する。
九電による風力発電の電力購入は、非事業用の風力発電による余剰電力については九電の販売価格と同額、事業用の風力発電は、長期メニュー価格として、11円50銭/kWとなっていた。
現在、事業用の風力発電については、技術革新や大規模化により、コストダウンが進んでおり、さらに、一般消費者向けグリーン電力制度による助成が始まる見込みであるため、事業用(自家消費率50%未満)の大規模な風力発電(2千kW以上)による電力購入は、入札を行うことを決めている。但し、事業用の中でもコストダウンの難しい、2千kW未満の風力発電については、従来どおり、11円50銭/kWで購入するという。
九電は、入札に際して、あらかじめ予定価格や募集規模を公表し、風力発電事業者は、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)及びグリーン電力補助制度による補助金を盛り込んだ形で落札価格を提示するという。
【参考URL】
https://www.kyuden.co.jp/
2001.2.1 グリーン電力基金・加入者が1万人を突破
風力発電や太陽光発電などの自然エネルギーの普及を目的とした、グリーン電力基金の加入申し込み数が平成12年12月末時点で1万口を突破したことが明らかになった。グリーン電力基金は、自然エネルギー普及のために、毎月の電気代に1口5百円を上乗せして電力会社に支払い、電力会社は集まった金額と同額を自ら寄付して、風力発電設備等に助成する。
国の試算によると、1kWの発電コストは、既存の火力・水力・原子力が6〜10円、事業用風力発電が16円、住宅用太陽光発電が81円となっており、これらの自然エネルギーと既存発電施設との差額をグリーン電力基金で賄おうというもの。
基金への加入口数は、東京電力管内が約5,700口、東北電力管内が約2,900口、中国電力、九州電力と続いており、必ずしも、電力契約数と比例していないことも特徴。これらの地域差は、風力発電への関心、あるいは電力会社による広報の力の入れ方の差が影響しているらしい。
寄付した人たちへの見返りは、グリーン電力基金に参加していることを証明するステッカーをもらえるだけであり、今のところ、自然エネルギーへ特に関心のいある人、あるいは電力会社関係者が加入しているものとみられ、今後の加入数の増加が注目されるところ。
また、基金の助成先も、学者などの有識者の意見をい踏まえて、これから決まっていく地域が多く、助成先が明確になれば、加入者数も増えるち期待する声がある反面、地域事情に応じた適切な助成対象が見いだせるかどうかが鍵とみる向きもある。
2001.1.29 八丈島風力発電所でバッテリー装置を取り付けて実験
東京電力が運転している、八丈島風力発電所で、バッテリーを取り付けたシステム実験が行われることとなった。これは、同発電所の出力が気象条件に大きく左右されてしまう弱点を補おうというもので、3月中にも出力調整実験を始める。
同発電所の風車は、出力5百kWで高さ44メートルに設置され、直径40メートルの3枚羽根型風車の風車。バッテリーは出力4百kWで、蓄電池部分にナトリウムと硫黄を使用しており、従来の鉛蓄電池よりも3倍の電力を蓄えられ、装置の寿命も永いという。
同風力発電所では、11月に最高の9万8千kW・時を記録したものの、9月には約1万7千kW・時に止まり、出力の差は、約6倍となっている。同島では、ディーゼル発電を調整しながら風力発電の出力を補ってきたが、この度、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の実験事業の一環として、バッテリー装置を設置して、その性能や周辺装置の稼働状況についてデータ取得を行うこととなったもの。性能やコスト面で問題がないことがわかれば、将来的に風力発電機の増設も考慮するという。
2001.1.10 四万十川流域で自然エネルギー発電
高知県は四万十川流域を環境にやさしいエコ・エネルギー開発地域にしようと、風力発電、木材を燃料にするバイオマス(生物)発電、太陽光発電などの導入に来年度から本格的に取り組む。2006年に同地域の消費電力の約3%に当たる年間約1600万kW時が目標で、高知県では、来年度予算案に研究費約7百万円を確保した。
県は「最後の清流」と呼ばれる四万十川の環境保全と林業振興、さらには本流の流れを唯一遮る家地川ダム(窪川町)の撤去まで視野に入れて、事業を進める予定とのこと。
風力発電については、観光地「四国カルスト」に発電機(600kW)2基を既に設置。さらに総合商社の丸紅、伊藤忠商事、トーメンなど民間6社と高知県が増設を検討している。
バイオマス発電は、間伐材や廃材を発電に使って流域の森林の間伐などを促し、清流の保全と林業の振興を図る。太陽光発電は、補助金を出すことで普及を狙うとのこと。
家地川ダムの撤去は橋本大二郎知事が目標に掲げており、知事は「四万十川にダムは似合わない。将来の撤去に向けて、今何をすべきか考えるべきだ」として、環境にやさしいエネルギーの開発に意欲を燃やしているという。
2001.1.13 省エネ発光ダイオード照明開発がに省エネセンターが支援
自然エネルギーを生かした生活スタイルを提唱している多摩市内の自然食レストラン経営者が、半導体の一種、発光ダイオード(LED)を使った照明器具の実用化に取り組んでいる。蛍光灯の半分、白熱灯の1/12に節電できるうえ、半永久的に利用できるという。この試みは昨年10月に経済産業省の外郭団体「省エネルギーセンター」の地域活動支援事業にも選ばれている。
55W1枚程度の太陽電池では、1日の発電量が台所の蛍光灯を3時間ほどつけられる程度であるため、駅の電光掲示板や電化製品、携帯電話などに使われているLEDに目をつけた。
節電効果に加え〈1〉寿命が10万時間(蛍光灯は8千時間)と長い〈2〉電磁波が出ない〈3〉衝撃に強い――などの利点がある。昨年2月ごろから、超高輝度の白色LEDが市場に出回るようになった。
LEDを使った門柱灯は、試作され、実際に神奈川県内で使われているという。
高価なLEDの部品36個を使っているため値段は、一本3万円もするが、集合住宅で24時間点灯している廊下など、50か所の照明を交換すれば、4―5年で採算が取れるという。
国内では、年間約3億本の蛍光灯が交換・処理されているといい、これをLED照明器に変えることができれば、自然エネルギーの有効利用、ごみの減量にも役立つと期待されている。
2001.01.20 三菱重工業がアモルファス太陽電池の量産工場を建設
三菱重工業は、諌早市津久葉町の同社長崎造船所諌早工場敷地内に、年産10メガ・ワットの太陽電池の量産工場を建設、今月中にも本格着工する。
2002年度中の完成と同時に販売を開始、年間売り上げ数十億円を目指すという。
同社によると、同工場で生産するのは、アモルファス(非晶質)シリコン太陽電池。同社は、自社技術の高速プラズマCVD装置(超高周波で原料ガスをプラズマ状態にし、基板上にシリコンの薄膜をつくる装置)の大型化や高速化に長年取り組んできたが、この装置を核にした量産技術が確立したと判断、本格的な量産開始と市場参入を決めたとのこと。
商品化する太陽電池の面積(1.4メートル×1.1メートル)は世界最大で、かつ用途に応じて自由な面積に分割できる。同社は、従来の屋根置き型からかわらと一体型の太陽電池に対するニーズが高まっているとして、住宅・建材メーカーへの売り込みに期待をかけているという。
2001.1.23 新日鉄、国内最大級の風力発電建設に着手
新日本製鉄は風力発電事業に参入することを23日、明らかにした。山形県酒田市の海岸部に2003年までに発電能力1500kWの風力発電機20基を設置し計3万kWの発電を手がける計画で、事業計画を山形県に届け出た。
電源開発やオリックスが北海道苫前町で運営している風力発電所に並び国内最大級になる。
新日鉄は製鉄所の自家発電設備を利用して電力を卸売りしているほか、今春には小売りにも乗り出す。新たに風力発電を加え、エネルギー事業の強化をはかる。
まず2001年9月に11基の建設に着手する。電力は東北電力への卸売りが中心になると見られる。東北電は2001-2003年度に風力発電による電力30万kWを外部調達する計画という。
2001.1.24 芝浦工大のゼミが「電動自転車で屋久島観光」を提案
芝浦工業大工学部の鴨志田隼司助教授のゼミ生たちが、屋久島(鹿児島県)の環境とエネルギーに関する報告書をまとめた。この研究は、同大ゼミ性が先輩から後輩に引き継ぎながら、4年間取り組んできたもので、屋久島の観光客が、電気モーターを補助動力とした電動ハイブリッド自転車で移動し、島内の道路の数十カ所に設置したエコ・ステーションでバッテリー交換ができるようにしよう、と提言しているのが特徴という。
屋久島を訪れる観光客の多くは、レンタカーなど車で島内を巡るが、そこで排ガスを減少させるために自転車に注目した。電動自転車と路線バスが移動手段の60%を占めた場合、二酸化炭素(CO2)排出量の62%、窒素化合物の33%が削減されると、試算している。
電動自転車用の充電施設は、風力・太陽光発電を備え、自然エネルギーでバッテリーを充電するしくみ。
また、島内では夏場を中心に不足する電力を、重油による火力発電で補っているが、学校など公共機関に太陽光発電機をつけ、さらに小型発電機を使った水力発電や風力発電などを導入すれば、火力発電量の1/6以上をまかなうことができ、排出されるCO2を825トン/年減らせるという試算も行っている。
2001.1.8 コンビニの太陽光発電、コストよりもイメージ戦略!?
ファミリーマートの報告書によれば、1店舗あたりのコンビニの平均年間電気使用量は、14万7千kWにも達し、これは一般家庭の40倍の消費量にあたるという。この消費電力を可能な限り効率的に使用するため、コンビニエンスストア・チェーンでは、太陽光発電や、省エネ装置を使って消費電力を可能な限り効率的に賄おうとする『エコ・ショップ』導入の試みが広がっている。
具体的には、太陽光発電の他、深夜電力で氷を作って冷房に利用する「エコアイス」、時間帯別に照度を調節する省エネ照明システム、断熱パネルなどの最新技術を取り入れている。
太陽光発電については、ファミリーマートで10店舗、ローソンが2店舗、サンクスは1店舗で採用している。最も積極的に太陽光発電システムを導入しようとしている、ファミリーマートでは、毎年2〜3店舗のペースでエコ・ショップの導入を図ってきており、最新のショップでは、発電電力9.5kWの太陽光発電設備を備え、年間1万1千9百kW・時の発電を見込んでおり、これは同ショップの照明電力の約50%にあたるという。 しかしながら、現時点では、こうしたエコ・ショップが急激に増加していく可能性は低い。というのも、エコ・ショップは、本部の直営店がほとんどで、実験的な域をでていないのが現状。コンビニ・サンクスのとあるショップでは、太陽光発電設備の投資額は、NEDOの補助金を差し引いても、1,220万円と巨額であり、これに対して、年間の電気料金削減額は47万5千円に過ぎないという。利益を重視するコンビニとしては、太陽光発電にコストメリットを見いだせない状況である。
今後、太陽光発電を積極的に導入しようとしているのは、ファミリーマートのみであり、他社は消極的。太陽光発電導入で、コストメリットより、環境に優しいイメージを消費者にアピールして、売り上げアップを図りたいというのが本音のようだ。
2001.1.7 2001年度の国の住宅用太陽光発電補助金が決定!
2001年度の国の住宅用太陽光発電補助金の総額が235億円となることが明らかになった。2000年度は、約1万8千件分の当初予算145億円に対して、応募が殺到し、約5千〜6千件分補助金に相当する33億円が追加(合計178億円)された経緯がある。
2001年度の補助金については、企業のコストダウンを促すねらいから、1件あたりの補助金の上限を72万円から48万円に引き下げる予定であり、約5万3千件分を想定している。
住宅用太陽光発電のコストは、1999年度実績で1kWあたり81円(公共施設用で94円)となっている。自家用風力発電の17円、廃棄物発電16円、石油火力10.2円、原子力5.9円と比べても、太陽光発電は、未だ高い水準となっている。
但し、太陽光発電の1kWの平均設置コストは、1994年度は約190万円だったものが、1999年度には約90万円と、約半額にまで下がるなど、確実に低下してきている。国では現行の補助制度が終了する2002年度には、補助金なしで普及が進む目安である、約40万円の設置コストを実現する製品がでてくるものと期待している。
2001.1.6 食品工場で風力発電−電気代ゼロに!
新潟県新発田市の片山食品では、エネルギーコストを削減するとともに、環境に配慮した企業の姿勢を示すため2001年春にも工場に風力発電設備を建設する。本事業は、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)との共同事業で、建設費約2億円のうち、50%をNEDOが負担する。
建設する風力発電設備の規模は、毎秒10m/秒の風速で出力660kWの風車であり、使用電力の約半分を同設備でまかなえるという。試算では、夜間や休日に発電した電気は東北電力に売電することにより、昼間の発電によるコスト減少とあわせて、東北電力に支払う電気代がほぼゼロになるという。
片山食品は、環境保全の国際規格「ISO14001」の認証取得に向けて準備しており、風力発電も認証取得にむけた準備の一環という。
2001.1.4 運輸省の外郭団体が「洋上風力発電」のマニュアルを配布
運輸省の外郭団体の「沿岸開発技術研究センター」はこのほど、地方自治体などが海上で風力発電を行う場合の技術マニュアルをまとめて配布している。
洋上での風力発電はデンマーク等で既に行われているが、日本では、建設費・送電費用が高価、漁業調整が必要などの理由で実用化が遅れている。
同センターが民間企業と合同で作成したのは、日本独自の海象条件を考慮した風車の基礎についての設計・施工マニュアルで、遠浅が少ない、地震が多い等の日本独自の条件を考慮し、風車の基礎の構造設計・施工方法を提案したもの。
洋上風力発電は、1)海上は風が強く障害物が少ない。2)騒音問題が少ない。3)運搬に船を使えるため、大型風車の設置が陸上に比べて容易。などの特徴があるという。地方自治体などでは、近年、風力発電に対する感心が高まっており、同センターは、洋上風力発電に取り組む自治体にマニュアルを配布する。
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