自然エネルギーに関する最新の話題

 このページは、太陽電池発電、風力発電、その他の自然エネルギー関連の最新の話題をトピック的にまとめたものです。

<2000年のトピック>


2000.12.27 川崎重工が最安の1kW・55万円の太陽光発電システム販売

 川崎重工業は、出力1kWあたりの製品単価を現行比で約3割減の55万円と業界最安値の住宅用太陽光発電システムを来年1月に販売すると発表した。
 川崎重工は業界で唯一、補助金なしでコストが見合う製品単価約40万円の射程圏内に入り、4年後に約3千戸の販売を目指すという。同社は、太陽光発電パネルの中枢部となるシリコンウェハーの製造工程で、材料のシリコン使用量を半分近く減らせる「ストリングリボン製法」を採用した米国・エヴァーグリーンソーラー(ESI)からパネルの独占供給を受けて販売する。
 来年1月からは、米国・ESIのパネル生産能力が、パネルの発電量換算で1万kWと現行のほぼ20倍に増強されるため、大量生産によるコスト削減効果も含め、低価格機種の供給体制を」整える。
 川崎重工は、現在1kW・時で23円程度の住宅向け電気料金の発電コストに相当する出力1kW当たり35〜45万円のシステム価格を目指して、補助金に依存しない普及拡大へと弾みをつけたいとしている。


2000.12.16 海上保安庁が灯台を自然エネルギーで自給自足

 海上保安庁は、4基の灯台の電源に太陽光と風力を複合利用するハイブリッド方式発電を採用することにした。今年中に、松前小島(北海道松前町)、第二海堡(千葉県富津市)、神子元島(静岡県下田市)、草垣島(鹿児島県笠沙町)の各灯台に導入するという。
 最も大きい第二海堡では34kW(民家8軒分)にもなる。いずれも、現在はデーィーゼルエンジンの自家発電で稼働しているが、新方式を導入することで燃料運搬の必要がなくなり、管理も自家発電に比べ簡単で、環境対策にもなるという。
 太陽光発電だけで動く灯台は既にあるが、この4基は太陽電池パネルを置くスペースが十分確保できない上、小型で高性能の風力発電装置が開発されていることから、ハイブリッド方式にすることを決めた。
 現在、灯台やブイを含めた全国の航路標識約5千5百基のうち、ほぼ1/3が自然エネルギーを電源しているが、海上保安庁は、自然エネルギーによる航路標識の割合を、平成17年には4割台に高めたいとしている。


2000.12.4 自然エネルギー法案成立見送られるも、自治体は支持

 原発立地自治体などへの補助金を拡充する「原発振興特別措置法」が12月1日に成立する一方、風力などの自然エネルギーの普及を目指す「自然エネルギー発電促進法案」は今国会でも提出に至らず、明暗を分けた格好となった。
 自然エネ法案は環境問題が重要政策である公明党からも全面協力が得られるはずだったが、自民党原発推進派の巻き返しで公明党は結果的に原発振興法に賛成、日本のエネルギー政策は原発中心のまま21世紀を迎えることとなった。  
 国会では劣勢な自然エネルギー法案だが、毎日新聞の調べによる制令指定都市へのアンケートによれば、「電気事業者による自然エネルギーの供給や、買い取りが法制化されることで社会全体の自然エネルギー導入・普及が促進される」(大阪市)など、支持の声は多い。
 姿の美しい風力発電施設は観光資源に、自然エネルギーで新ビジネスを展開できれば雇用の創出に、と様々な面で期待を寄せている。先進国の間でも、相対的に日本の自然エネルギーの取り組みは低い目標値しか与えられていない。ドイツをはじめ欧州では政治主導で自然エネルギーの導入が進められており、風力発電量をみても、ドイツは4445メガワット(日本:68メガワット)と日本の65倍となっており、第6回気候変動枠組み条約締約国会議でNGOからやり玉にあげられた米国でさえ、2492メガワットを導入している。
 米国は2010年に1万メガワットの導入目標を掲げているが、日本はわずかに、300メガワットに過ぎない。


2000.12.4 苫前風力が全機運開

 電源開発はドリームアップ苫前(北海道苫前町)風力発電所が全機運転を開始したと発表した。風車発電機19台を備え、出力は3万6百kWと国内最大で、年間5千9百万kW時の発電電力量を見込んでおり、発電した電力は全量北海道電力に売電する。
 電発、苫前町、オリックス、カナモトの共同出資による事業会社、ドリームアップ苫前は、昨年10月より、デンマークのベスタス社製の風車(1650kW×14台)とドイツ・エネルコン社製の風車(1500kW×5台)で、商用機としては世界最大級の風車である。総工事費は約65億円であり、年間平均風速6.6メートル/秒の風を利用して、約22%の設備利用率を見込んでいる。


2000.11.29 住宅用太陽光発電設備価格が1kW、90万円以下に

 新エネルギー財団(NEF)によれば、今夏のシステム設置価格は、はじめて1kWあたり90万円以下となったことがわかった。今年度より補助制度を変更し、補助額を一律化したために低価格機ほど消費者の負担が減り、価格引き下げ圧力が高まったもの。
 同財団が8月1日から9月5日にかけて設置完了報告を受けたシステムの価格(設置工事費込み)は1kWあたり88万8千円と、1999年度の平均価格に比べて焼く5%下がった。これまでの補助制度では、システムの価格が高いほど、多額の補助金を受け取れたが、今年度からは、補助額が一定となり、上期で1kWあたり27万円、下期で同18万円が交付され、価格が安いほど消費者の負担が軽くなるしくみになった。
 消費者に直接販売する住宅メーカーは、システム供給側への値下げ圧力を強めており、現在、出力1kWあたり、80万円弱と、今夏よりさらに3万円前後値下がりしている。市場が拡大すれば、量産効果でさらに製造コストが下がって製品の値下がりにも拍車がかかりそう。


2000.11.10 北海道は風力発電枠が一杯!?

 北海道電力は、年内にも風力発電による電力の新規購入を凍結する方針を固めたとのこと。これは、風力発電量が事業の急激な増加により、同社があらかじめ設定した風力発電購入枠(15万キロワット)に達する見通しとなったことによる。同社は、今後少なくとも1年半程度は、新規購入を取りやめ、風力発電の安定性や運転状況等を検証した後に購入枠の拡大を判断するという。
 同社では既に、約13万5千キロワットの風量発電購入が決まっており、15万キロワットに達するのは確実な情勢。これまで、北海道では風力発電の開発計画が急増し、一時、原発1基分に匹敵する55万キロワットまでになった。北海道電力では、風力発電の発電単価が11.6〜9円と水力発電の発電単価の2倍以上になるために負担が大きいこと、さらには風力発電出力の変動が大きいことなどを理由に2002年までの風力発電枠を15万キロワットに設定するとともに、30%強の購入については入札制度を設けて、キロワットあたり8円台に抑えるなどの抑制策をとっていた。
 なお、東北電力でも、10万キロワットの風力発電枠を設けているという。


2000.11.7 京セラが太陽光発電の事業拡充

 京セラは、太陽電池需要の急拡大に備え、2001年の太陽光発電システムの生産量を約70メガワット(前年度比50%アップ)に引き上げるとともに、販売代理店の拡充にのりだすとのこと。
 生産の増強は滋賀工場の能力拡大(来年4月までに月間6メガワット)と三重工場での組み立て開始によって対応する。また、販売代理店については、現在、京セラソーラーフランチャイズ店が46店、フランチャイズ以外の店舗が100店あるが、近々増強計画案をまとめるとのこと。
 太陽光発電システムは、ここ数年需要が拡大しており、シャープや三洋電機でも能力増強に取り組んでいるが、年間70メガワットの生産量は最大規模になる見通しとのことである。


2000.11.6 コンビニで太陽光発電

 コンビニエンスストアのデイリーヤマザキは、太陽光発電を利用したソーラーシステムをコンビニエンスストアの2店舗に導入することになった。
 太陽光発電を利用することによる1店舗あたりの電力節減は、年間約38,000kWに達すると試算している。デイリーヤマザキでは、昨年の8月から3店舗で太陽光発電の実験を始めてきたが、電力節減効果が認められたため、来春までに、西日本を中心とした店舗30店に導入し、以後年間数十店づつ導入を進めるという。


2000.10.30 エコパワーが青森で風力発電の大型基地開発!

 風力発電事業大手のエコパワーは2002年をめどに青森県東通村で出力2万7千キロワットの風力発電所を建設し、投資額は約50億円弱となる見込とのこと。
 場所は東通村岩屋地区で、出力1,500キロワットの風車を18基建設する。
 これらの発電設備は、東北電力が来年実施する風力発電事業者の入札に参加するなどして売電契約を結び、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の補助金の交付決定を受けて着工し、早ければ、2002年に稼働する予定である。
 さらに、同社では1万キロワット級の発電所建設の構想もあり、2003年3月までに風力発電の総出力を10万キロワットとするという。隣接地では、トーメンが2001年10月の稼働を目指して総出力3万2千キロワットの風力発電所建設をしている。
 エコパワーは2000年3月までに全国13カ所で計1万6千キロワットの風力発電所を稼働している、従来は1カ所2,000キロワット未満の小規模の風力発電基地であったが、今後は、東通村岩屋地区の他、青森県六カ所村で、3万3千キロワットの発電所計画を進めるなど、大型基地開発を目指すという。


2000.10.14 ソニーの提案で電力会社中心に風力発電の新会社設立

 東京電力など電力会社7社らが自然エネルギー発電を受託する会社「日本自然エネルギー」を11月1日に設立すると発表した。
 顧客企業は風力発電などの自然エネルギー発電のコスト増を負担して、地球環境保全への貢献をアピールするというもの。
 この制度はソニーが提案したもので、同社が第1号の委託企業となる見込みの他、10社程度が関心を持っているとのこと。
 企業は発電所を建設することなく新会社に風力発電などの事業を委託、新会社は、学識経験者などでつくる第三者機関のチェックを経た上で「グリーン電力証書」を顧客企業ごとに発行し、企業は証書でもって二酸化炭素の排出減への寄与をアピールできるという。


2000.10.12 電気自動車で世界一周達成!!

 東京電気大学の藤中正治教授らは、電気自動車で東京から、ロシア、欧州、米国・ロサンゼルスまでの世界一周に挑戦し、見事に成功して10月10日、ロサンゼルスのリトル東京に到着した。
 藤中教授らは、本年7月3日に東京を出発し、約100日かけて米国まで1万8千kmを走破したもの。この電気自動車は、藤中教授らが1300CCの国産自動車を改造したもので、ニッケル水素電池を搭載し、充電用の太陽電池を張り付けてあり、昼食時間と夜間に充電して1日約300kmを走ったという。


2000.10.11 住宅用太陽光発電補助を通産省が上積み予算要求!!

 通産省は、新エネルギー財団(NEF)の交付する住宅用太陽光発電システム補助金を補正予算で追加的に33億円要求する方針を明らかにした。
 これは、当初予算の145億円が応募者の殺到ですでに底をついたため、急遽この秋の補正予算で上積みを図ったものである。
 補助金の応募者は昨年度の1万7千件に対して、今年は9月時点ですでに1万8千件に達しており、この補正予算の増額により、来年1月以降で本年度の応募者は2万件を越える模様である。


2000.10.10 自然エネルギー発電促進法の全容が明らかになる!

 自民、民主、公明など5党の超党派からなる「自然エネルギー発電促進議員連盟」が成立を目指す「自然エネルギー発電促進法案」の内容が明らかになった。
 風力や太陽光など自然エネルギーによる発電を促進することを目的に、自然エネルギー発電事業者の設備投資費用に対して最大半額補助し、発電事業者が負担する自然エネルギーの買い取り価格の差額分を補助するとのこと。
 順調に進めば、今臨時国会に提出され、2001年4月には施行という運びになる可能性もある。  


2000.9.25 秋田県が風力発電の一大拠点に!?

 これまで秋田県の風力発電は、旧秋田空港跡地周辺と八森町の2カ所で合計1300kWであったが、秋田市の施設を8.5倍に増強した他、能代市・仁賀保町で大規模な風力発電基地が着工されるなど、風力発電の一大拠点となりつつある。
 県内では、98年4月に秋田市の旧秋田空港跡地で秋田ウィンドパワーが400kWの風車が2台稼働させ、99年3月には八森町で住友金属鉱山・岩谷産業が500kW1基で実証試験を行っている。秋田ウィンドパワーは、旧空港跡地で国内最大級のウィンドファームを目指して、総事業費13億円で、750kWの風車8基の増設工事に着手、早ければ10月中に稼働に入るという。
 また、能代市では、東北電力等の出資した東北自然エネルギー開発が同市の鉱さい堆積跡地に総事業費34億円で、600kW規模の風車を24基建設する計画とのこと。
 さらに、仁賀保町でも、電源開発等が出資した仁賀保高原風力発電が総事業費約60億円で、来年11月の運転開始を目指して、1,650kW風車15基による国内最大級の風力発電施設の建設に着手した。秋田県の策定した新エネルギービジョンによれば、2010年度の風力発電目標は、一般家庭2万8千戸分をまかなう4万5千kWを掲げているが、この分では早々に目標地をクリアしそうな勢いである。


2000.9.10 太陽電池・風力発電で電力のすべても賄う工場とホテルが出現?!

 ファクシミリ等を製造するリコーユニテクは、電力消費量を1/20に低減したファクシミリ組立ラインの電力源を全面的に太陽電池に切り替えることを発表した。
 発電能力10kWの装置を10月にも導入し、グリーン工場としてイメージアップにつなげるという。ベルトコンベアの駆動用モーターの数を54台から4台に削減するなどにより1日あたりの電力使用量を514.6kWから5.5kWに削減した上で、電源を太陽電池に切り替える。導入コストは約14百万円で、NEDOの補助金を一部受けて実施するという。

 また、鹿児島市内の錦江高原ホテルでは、すべての電力を賄う風力発電設備を10月までに導入する。
 同ホテルは市内を見下ろす標高400mの高台にあり、調査の結果、同ホテルとゴルフ場のすべてを賄う電力を得られることがわかった。
 風力発電設備は1,300kWと大型で家庭用電力として430戸分を賄う電力が得られる。


2000.9.8 NEFの太陽光発電補助金が1日でパンク?!
 通産省の外郭団体、新エネルギー財団(NEF)の行う住宅用太陽光発電の補助事業で9月1日から、後期の受付を開始したところ、4日に郵便で届いた申請書類が1回で1万件を越えたため、急遽募集を停止したという。
 後期の予算枠は約9千件であり、消印を調べて順番に受付、応募枠を越えた部分は無効となるという。 平成12年度の募集は、前期が当初の予定より3カ月も早く7月に募集を打ち切り、後期は9月1日に募集を再開したばかりだった。

2000.9.2 NEDOが81カ所で風力発電風況調査を実施

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は、2000年度の風力発電フィールドテスト事業で、風況精査を実施する全国の81カ所を決定した。風力発電フィールドテスト事業は風況精査、システム設計及び風車設置の各段階毎に共同研究事業者を選考して実施する事業で、風況等の自然条件やインフラ条件の異なる国内各地に、その地域特性に応じた風力発電設備を導入し、実際の負荷条件下で運転データの取得を行い、風力発電の普及に有用な資料の取りまとめを行うことを目的とするもの。(NEDOホームページより) 
 地域等の詳しい情報は下のアドレスをご参照下さい。
https://www.nedo.go.jp/informations/press/120824.html


2000.8.2 住宅用太陽光発電システム補助金の下期応募 9月1日より 

 新エネルギー財団(NEF)は住宅用太陽光発電システム補助金の平成12年度下期募集について、9月1日より平成13年1月31日までとすることを発表した。1kWあたりの補助金額は18万円と上期(27万円)より9万円減額となり、1件あたりの上限額は72万円に抑えることになった。
 メーカー側の技術革新により1kWあたり60万円を切る設備も売り出されていること、さらには、大手住宅メーカーが販売に力を入れることになったため、応募者が殺到し、予算が不足する見通しになったことが補助金減額の理由らしい。
 補助金総額は平成12年度予算額の145億円から上期分を差し引いた65億円となり、下期の補助金対象件数は約9千件を見込んでいるという。


2000.7.25 住宅用太陽光発電導入補助の上期募集締め切る
 通産省の外郭団体である新エネルギー財団(NEF)は平成12年度の「住宅用太陽光発電導入基盤整備事業」について、上期募集を予定を繰り上げて7月3日に締め切った。
 受付件数は8千31件(前年度上期の3倍以上)に及び、予算金額は約85億円(年度全体予算は160億円)にとなった。
 応募が好調だった理由は、今年の補助金額が1kWあたり一律27万円となっており、各メーカーとも商品価格を下げたこと、さらには、前年度の募集であぶれた約8百件のユーザーが優先的に対象となったことがあるとのこと。各住宅メーカーにおいても太陽光発電設備を標準装備した住宅販売を積極的に行っていることも、応募者増大に影響しているらしい。
2000.7.21 日本の太陽電池生産量が世界一に!!
 1999年の日本の太陽電池生産量は86メガワット(前年比75%増)となり、60.8メガワットの米国を抜いて、世界一となったことがわかった。
 メーカー別では、1位の米国メーカー(BPアモコ)を除けば、京セラ、シャープ、三洋電機の順で日本のメーカーがトップを占めている状況。
 このうち、シャープは本年3月には奈良県に54メガワットと世界最大の生産工場を新設し、京セラ、三洋電機も増設を計画中という。このような日本の太陽電池生産量増大の背景には、太陽電池自体の変換効率の向上、国の補助制度による価格の低下、住宅メーカー各社が販売している環境調和型のエコ住宅のヒットがあるらしい。特にエコ住宅では、屋根と太陽電池パネルの一体化によるデザイン性の向上と材料費・設置費の低廉化が図られたことが大きいとのこと。
 国の補助制度が平成14年度で終了することで一時的に需要は減少する可能性はあるものの、中長期的には、メーカー側の努力による価格低下と効率向上により、普及は拡大するといえそう。
2000.7.20 グリーン電力制度が導入へ
 電力10社は、風力発電・太陽光発電等の自然エネルギーの普及を目的とした「グリーン電力制度」を秋以降に導入することになった。
 電力会社側は通産省の総合エネルギー調査会新エネルギー部会で制度の開始を報告した。この制度では、電力各社は一般家庭向けに毎月5百円程度を募り、電気料金支払いと同時に口座から引き落とす。加入者には玄関などにはれるシール「グリーンラベル」を配布する。 企業向けには、事業所などで使っている電力の一部を風力発電分とみなし、割高な料金を支払ってもらう代わりに「風力発電証書」を発行して企業イメージの向上などに役立ててもらう。
 個人・企業の募金にあわせて電力会社も一定額を拠出し、基金を風力発電所の運営・太陽光発電普及にあてる計画とのこと。
2000.6.15 日本最大の風力発電設備が建設へ 
 風力発電発電事業を手がけるエコパワー(東京・港区)は青森県六カ所村にある「小川原開発地域」に国内最大mの3万3千キロワット級の風力発電設備を建設することを発表した。今秋にも着工し、2002年10月から東北電力に売電するとのこと。総工費は約60億円で、6ヘクタールの土地に1,500kW級の風力発電機を22基設置し、1基の高さは最高で100メートルにも達するという。総工費のうち最大1/3は、通産省の外郭団体である「新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)」が補助する。 
2000.5.25 住宅用太陽光発電の補助が2002年で終了?!
 通産省・資源エネルギー庁は住宅用太陽光発電装置を取り付ける場合の補助を2002年度で終了する方針を明らかにした。平成11年度は、補助金応募者が1万7件を越え、年々増加傾向にあるが資源エネ庁では、“太陽光発電は自立すべき時期”としている。太陽光発電のコストは火力や水力にくらべ3〜7倍と高く、補助制度終了となれば、メーカー各社はコスト引き下げを迫られることから、関係者からは存続を求める声があがっているという。補助金交付事務を行っている、新エネルギー財団(NEF)では、1994年度より、類型3万世帯に平均100万円程度の補助を続けてきている。
2000.5.20 NEFが平成12年度住宅用太陽光発電の補助金募集を開始
 新エネルギー財団(NEF)は、5月15日、平成12年度の住宅用太陽光発電の補助金事業(「住宅用太陽光発電導入基盤整備事業」)の募集を開始した。平成12年度の募集では、これまで3段階にわけていた補助金算定基準を、一律、1キロワットあたり27万円の補助と決めたこと。これにより、安いシステムほど補助率が高くなる制度となった。今回の募集期間は次のとおり。
 上期 平成12年 5月15日(月)から平成12年9月30日(土)まで
 下期 平成12年10月10日(火)から平成13年1月31日(水)まで
 これまで、住宅用太陽光発電の補助金事業は応募者が拡大し続け、平成11年度には、18,127件の応募申込を受け付けたものの、補助金が不足して、応募申込書を返却し、結果的に17,396件となった経緯がある。
 詳細は、以下のアドレス参照 
 https://www.nef.or.jp/moniter/m12_gaiyo.htm
2000.5.15 東電とソニーが提携して自然エネルギー事業
 東京電力とソニーは、風力・太陽光発電など自然エネルギー発電事業で提携することになった。早ければ今年中に共同で新会社をつくり、新会社が風力発電設備等の建設を担当し、電力会社に売電する考え。新会社にはメーカー等からも出資をつのる予定とのこと。  電力会社は通常料金に一部コストを上乗せして風力発電等の電力を消費者に購入してもらう「グリーン料金制度」の導入も検討しており、上乗せ料金を出資者側に負担してもらうことにより企業側のPRを図るというアイデアもあるとのこと。
2000.5.10 住宅用太陽光発電システムの補助金算定基準見直し
 資源エネルギー庁は住宅用太陽光発電システムの補助金算定基準を大幅に改訂し、システム価格が安い程、補助金割合が高くなる新基準を採用することととし、一層の太陽電池価格の低下を促す方針を固め、5月15日から始まる平成12年度分の募集から適用される見通しである。
 これまでの住宅用太陽光発電システムの補助金額は、対象となるシステムの価格を3段階に分けていたことから、1kWあたり、875,000円〜950,000円以下のシステムに実質上最も高い329,000円の助成がなされていた。
 今回は1kwあたりの補助金額を25万円〜30万円に固定することにより価格が安いシステムほど補助金割合が高くなることから、現在、90万円〜100万円/kwのシステム価格低下をはかるという。
 住宅用太陽光発電システムは、平成11年度で160億円という過去最大の予算を計上し、申し込み件数は1万8千件を越えた。平成12年度は予算は145億円に減額され、新基準の採用と併せて、メーカー側の競争がさらに激しくなることが予想されている。 
2000.4.27 自然エネルギー促進議員連盟が「自然エネルギー促進法案」を国会提出?

 自民党・公明党・民主党などの超党派で構成されている自然エネルギー促進議員連盟は太陽光・風力などの自然エネルギーの開発を支援するため、発電事業者への補助や電力会社への自然エネルギーの買い取り義務などを盛り込んだ「自然エネルギー促進法案」の国会提出を準備していることが明らかとなった。

 新法案では、電力会社が自然エネルギー発電の供給促進計画を作成し、国へ提出することを義務づける他、新エネルギー発電事業者への補助金を現行の1/3から1/2に拡充することとしている。
 また、現在の風力発電コスト(16〜25円/kW)、太陽光発電コスト(70〜100円/kW)と石油火力発電コスト(10円/kW)の差額の一部を電力会社に補助することも盛り込まれている。財源の問題もあり、今国会での成立は不透明ながら、同議員連盟では「自然エネルギー促進法案」の2001年度施行を目指しているという。 


2000.4.5 東電の八丈島風力発電所が運開

 昨年11月から東電が八丈島にて建設を進めていた「八丈島風力発電所」が3月31日に運転を開始した。国内の電力会社では始めての事業用風力発電所となる。
 発電機器はドイツ・エネルコン製の出力500kWの風車1基であり、建設費は約1億8千万円であるが、島で主に利用されている内燃力発電より安く発電できるという。
 島の電力需要は3千から1万kWの幅で変動しており、これまでは、地熱発電所(3,300Kw)とディーゼル発電(11,000Kw)のを組み合わせてきた。今後は地熱と風力をベース電力として、ディーゼルで変動幅に対応していくという。ディーゼルの燃料費を削減できる上、温室効果ガスの輩出低減にもつながる。


2000.4.3 三洋電機がソーラー生産能力を8倍に拡大

 三洋電機は、住宅用太陽光発電需要が増大していることに対応して、今後5年間に330億円を投入して太陽電池の生産能力を一気に8倍に引き上げると発表した。
 同社の現在の太陽電池の生産能力は年間15メガワットで一般の住宅向け太陽光発電システムに換算すると5千台程度であるが、これを2005年までに120メガワットに引き上げる計画である。また、2004年までに約60億円をかけて世界最大の太陽光発電システム(メガソーラー)を岐阜工場の敷地内の建設することも併せて発表した。
 99年度の住宅用太陽光発電システムの需要は、通産省の補助金申請ベースで約1万8千戸と前年度の2倍以上に増えており、住宅メーカーも太陽光発電を組み込んだ商品を次々と発売しており、普及に拍車がかかる見込みである。 


2000.3.31 「グリーン電力料金」6割が費用上乗せに賛成

 東京電力と自然エネルギー推進フォーラムは、「太陽光発電普及推進プロジェクト」の共同報告の中で、太陽光・風力による再生可能エネルギー電源による電力購入(グリーン電力購入)のためには、月1,000円程度の追加負担を支払う意志を持つ人が、調査対象の6割に達していることを明らかにした。
 東電は97年から3年間にわたり、自然エネルギー推進フォーラムと共同で太陽光発電システム設置者に1kWあたり50万円の助成を行い、見返りに使用データの提供を受けてきており、これまでに設置したシステムの合計は263件(436kW)となっている。


2000.3.15 シャープがデザイン重視の一体型太陽電池モジュールを開発 

 シャープは、光を通すなど建築デザイン性を重視した建材一体型の採光型太陽電池モジュールを開発した。約13センチ角の太陽電池を一定間隔離してガラスで挟み込んだタイプと、太陽電池自体が透けるタイプがある。
 ガラスで挟み込んだタイプのモジュールは、防火性の確保と断熱性の向上を図り、ビルディングの窓ガラスに適している。太陽電池自体が透けるタイプは、モジュール全体から適度な採光が可能とのこと。
 モジュール1枚の大きさは、両タイプとも1.5メートル×2メートルで、出力は最大で310ワット。今回の製品により、ビルの壁面や窓、玄関屋根用などの産業向けの太陽電池の市場開拓を目指すという。


2000.3.5 福岡市の市民グループが太陽電池による「市民発電所」を設置

 福岡市の市民グループ「たんぽぽとりで」が、2月11日、全国的にもめずらしい太陽電池による「市民発電所」を福岡県二丈町に設置した。同グループでは、一口5万円で出資者と屋根の提供者を募っていたが、36口の応募があり、発電所の建設にこぎ着けたもの。
 太陽電池パネルの出力は最大で3キロワット、面積は25平方メートル、総費用は300万円だが、国から1/3の補助がある。パネルが発電した総電力を売電し、収益は出資口数に応じて分配する。
 同グループの試算では、一口につき、最低でも1,500円を分配できるという。


2000.2.20 昭和基地に10キロワットの風力発電機完成

 南極の昭和基地で初めて出力10キロワットの風力発電機が設置された。日本の観測隊は燃料節約と環境保護のためにクリーンエネルギーの導入を進めている。風力発電機は高さ約10メートル、長さ3.5メートルの羽根が2枚付いており、ブリザードの際に破損しないように風速毎時25メートルを越えると自動的に回転が止まるしくみ(基地の平均風速は6.5メートル)。
 同基地での自然エネルギー導入は、太陽光発電装置と合わせて50キロワットとなり、必要電力の約6%をまかなえるという。
 今後は、太陽光発電を60キロワットまで、風力発電機を50キロワットにそれぞれ増設し、基地の必要電力の20%近くを自然エネルギーで供給し、軽油を年間約60キロリットル節約できるようにするという。


2000.2.10 川崎重工業が大型風力機投入で風力発電事業を強化

 川崎重工業は年内を目途にNEGミーコン社製の出力1500キロワットの新機種を国内で販売するとともに、同じくミーコン社製の出力900キロワットの新機種も年内に投入し、現在6億円の風力発電の年商を2000年度に20−30億円とする計画。 
 これらの大型風力機種の投入により、本体価格と工事費を加えた1キロワットあたりの価格を20万円以下(補助金を投入した場合)に、1キロワット時あたりの発電コストを10円以下に抑えたい考えという。
 国内の大型風力発電設備の実績は、三菱重工業が室蘭市に建設した1000キロワット機が最大であるが、今後さらに、国内における風力発電機の大型化が進むみとおしである。


2000.2.8 住宅用太陽電池の価格下落のペースが鈍化傾向

 太陽電池は、ここ数年の間に国内メーカー各社の量産により価格の低下が進んできた(93年:3kWで1,200万円、99年:280万円)ものの、一方で、原料シリコンの価格上昇により、価格低下のペースが鈍ってきている。 
 原料シリコンは、多結晶型でアモルファス型の80〜100倍の量が必要であり、多結晶型では原料シリコンのコストが、太陽電池価格に大きく影響する。元々太陽電池はICなど半導体にしようするシリコンの残材を使っており、昨今の半導体需要の好調で、残材の供給が少なくなっている。原料価格は、4〜5年前に2円/gであったものが、約5円にまでなっており、影響は深刻とのこと。 一方で、3キロワットの太陽電池システムが一般家庭に浸透するには、150万円程度の価格になる必要があると言われ、今後のシリコン需要と価格が気になるところ。


2000.2.5 大手電機メーカーが太陽電池を増産する計画

 大手の太陽電池生産メーカーが相次いで太陽電池の増産に動く見通し。 シャープは、99年度の年間生産量が前年度の2倍近くの約30メガワットに達したため、奈良県新庄待ちの新庄向上に新工場を稼働する予定とのこと。 京セラは、滋賀工場の太陽電池生産ラインを増強し、現在、月間3メガワットの生産能力を2000年度には、5メガワットまで拡大する予定。三洋電機も兵庫県洲本市の工場で増産を検討中とのこと。 
 背景には、大手住宅メーカーが太陽光発電システムを装備した個建て住宅の受注に力を入れていること、さらには、資源エネルギー庁の太陽光発電システム購入者への補助金制度の補助金申請者の増加(98年度:8,229件、99年度:1万4千件以上)がある。


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