自然エネルギーに関する最新の話題
<1999年>

 このページは、太陽電池発電、風力発電、その他の自然エネルギー関連の最新の話題をトピック的にまとめたものです。

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1999.10.28 多摩ニュータウンで電気自動車の共用利用実験

 東京都稲城市多摩ニュータウンでは、地域住民で電気自動車を共同利用する「EV住宅地セカンドカーシステム」という実験がなされている。稲城市では、周辺3地区の住民約100人がモニターとして参加し、公道を使って行う実験としては国内最大規模という。ITS(高度道路交通システム)と呼ばれる最新技術を導入し、電気自動車の管理を集中的に行いながら、効率良く運行管理をおこなうというもの。ユーザーはEV管理センターに電話を予約して、空き車両を確認、周辺5カ所のEV専用駐車場でICタグと呼ばれるカードで認証することによりEVを使える。
 一方、管理センターでは、ITSにより各車の位置、燃料消費、ドアロックの有無まで把握しており、電気容量が不足するとカーナビから警報がなり、駐車場まで最短経路で誘導してくれるという。
 同様の実験は横浜市の「みなとみらい21」地区でも「都心レンタカーシステム」としてビジネスマンがEVを共同利用する実験を行っている。これらの実験は、自動車走行電子技術協会が新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)から研究開発を受託して実施している。


1999.10.26 CRC総研が風力発電予測システムを開発

 CRC総合研究所は独自の局地気象数値モデル「LOCALS」を使い、東北電力が提供した風力発電データを基に予測システムを開発。気象庁から受け取る気象データを基に500m四方の風速などを予測して発電量を計算するという。発電量予測は、このシステムを用いることにより、従来は1年間の気象観測が必要であったものが、2ヶ月程度に短縮できるという。さらに来春までに気象データベースを作成し、システムの改良を加えることにより数日で結果が出せるようになるとのこと。料金は適正地域の選定が400万円から、発電量予測が300万円/年間で、自治体や風力発電に参入する企業の受注を見込んでいるという。
詳細は、下記アドレスをご覧下さい。
https://www.crc.co.jp/


1999.10.23 北海道電力が大型風力発電を入札

 北海道電力は10月21日、風力発電のプロジェクトの落札者を発表した。
 落札したのは、伊藤忠商事・日本鋼管(2万1千kW)、斐太工務店他(2万1千kW)、丸紅他(1万5千kW)の3グループ。発電規模は3グループ全体で、5万7千kWとなり、2001年の7月から11月に運転開始予定という。
 北海道電力管内では既にトーメン(苫前町、2万kW)、電源開発(苫前町、3万kW)などを含め9万kWの風力発電候補地が決まっており、今回の落札分を併せて、15万kW規模の風力発電量に達した時点で、系統設備にどのような影響が出るかを検証し、データを分析・評価する。 
 現在、北海道では計画中のものを含め、総出力55万kWの風力発電の計画があり、北海道電力がこのすべての発電量を受け入れることは電力系統に支障をきたす恐れがあるため、今回入札枠を設けて募集したもの。 


1999.10.21 北海道苫前町に国内最大の風力発電所が完成

 合計出力2万kWの国内最大級の風力発電所「苫前グリーンヒルウィンドパーク」が完成した。これまで、国内の風力発電量は総計約3万kWであり、苫前は国内初の本格風力発電基地となる。トーメンが約45億円で昨年末着工、支柱高さ45m、長さ26mの翼3枚からなる出力1000kWのデンマーク製大型風力発電機20基を設置した。土地は日本海沿いの牧場100haを借用した。今年の12月にも商業運転に入るという。


1999.10.18 神戸でエコカーのレンタル事業

 神戸エコカー(tel.078-306-1185)は電気自動車などの低公害カーを月極でレンタルするサービスを開始した。 同社は現在電気自動車(EV)40台、ハイブリッド社4台、天然ガス社9台を保有しており、定期で午前9時から午後5時、夜は別の客にレンタルする。料金は月額で夜は車種により3万〜4万円、昼は一律6万円で、近所の主婦同士が1台を共有レンタルすることも可能という。同社は提携する、新神戸オリエンタルホテル、ホテルオークラ神戸、六甲オリエンタルホテルなど6カ所の駐車場にエネルギー補給拠点を設ける。同社は、昼は主婦グループ5組、夜は通勤に使うサラリーマングループ1組で事業を開始したという。


1999年9月

*太陽光発電戸数が1万戸を突破!!

 太陽光を利用した発電システムが急速に家庭に普及し始めた。通産省の外郭団体・新エネルギー財団(NEF)の設置費補助、電力会社の余剰電力買い取り、一部自治体の助成などの効果で、1997年度は5,600家庭が導入、98年度は申し込み件数が8,000件を越え、1999年3月までの累積設置戸数は1万戸を突破した。
 99年度の補助額は、過去昨の160億円を計上、今年度はすでに4000件を越える応募があるという。現在、多雨医用電池、インバータ、接続箱のセットで約300万円、NEFはこのうち1/3を補助する。
 長野、愛知、広島などの一部市町村、東京都葛飾区などでは1kwあたり10万円前後の助成や低利融資を実施しており、東京電力では一般家庭で、kwあたり16〜22円程度で余剰電力を購入している。
 また、埼玉県では、災害時の救急電源に県立高校の屋上に太陽光発電装置を設置する事業を進めているという。

 10月1日より、新エネルギー財団(NEF)の平成11年度下期(〜3月上旬まで)の「住宅用太陽光発電導入基盤整備事業」(補助金交付)の申請登録が始まっています。
 詳しくは、下記URLにてご確認下さい。
https://www.nef.or.jp/moniter/index.htm
Tel. 03-5275-9831(NEF) 


北海道のグリーンファンドが注目!!

 北海道生活クラブ生協は、自然エネルギーによる発電所建設を目指して、「北海道グリーンファンド」なる制度を開始した。
 同ファンドは、市民が毎月電力会社に支払う電気料金に5%を上乗せして、同生協に一括して支払い、生協側でファンドを積み立てて、風力発電所の建設資金にするというもの。同生協では発足して1カ月あまりで、600人以上の会員を集めており、各世帯の月々の支払い額は、5〜6百円程度、風力発電所の完成後は売電収を会員に還元することも検討されているという。
 事務局側では、会員が1万人を越えれば出力500kW級の風力発電機が建設可能とのこと。
 欧州特にオランダでは、地球環境対策の強化と電力自由化を背景に電力会社が競い合うように、グリーン電力を導入している。欧州連合EUは温暖化防止策の一環として、2010年には域内の総エネルギー消費の1割以上とする目標を掲げている。一方、グリーン電力は、送電・配電の過程で一般の電力と混ざり合ってしまうため、第三者が個々の発電所の稼働率から、グリーン電力の比率をチェックする等の作業が必要であり、電力会社の情報開示が欠かせない。

・欧米におけるグリーン電力の詳細については下記ページをご覧下さい。
https://www.nedo.go.jp/journal/re_index.html
 1999/9/13版に詳細


*NEDOが太陽光発電フィールドテスト事業の共同事業者を決定

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は、99年度の「産業用太陽光発電フィールドテスト事業」の共同研究事業者を決定した。今回は、大学、自治体など97件が採択されシステム総容量は、2,920kwに相当する。
 本事業は、産業等の分野において、10kW単位でのユニット型の標準化推進型太陽光発電システム、または、建材一体型等の新形態利用型太陽光発電システムを試験的に設置して、長期運転を行いながら、各種データを収集・分析して、産業分野等における太陽光発電の導入拡大の先鞭をつけると共に、標準化による価格低減を図ろうとするもので、NEFが行う住宅用太陽光発電と対をなす政府の助成策である。NEDOは5年間の研究機関で研究総額の1/2を補助するというもの。
 詳細については、以下のページを参照。
https://www.nedo.go.jp/informations/press_index.html


*宮城の5社が、8時間充電OK、60km走行のEV開発!!

 宮城電動コミューター開発共同組合(仙台:Tel.022-264-0194)は、超小型1人乗り電気自動車「アバイン」を共同開発した。アバインは環境とエネルギーの両面を重視、長さ1.2m、重量265kgの流線型のボディーで、家庭用コンセントから8時間充電で約60kmの走行が可能という。
 電気代は、深夜電力を利用すればわずか40円という安さ。価格は90万円で、運転は普通免許が必要だけれども、車両法上は原付自転車で、車検や、車庫証明、従量税が必要ないとのこと。
 深夜電力利用とはいえ、60km走行がわずか40円でできるとは、これはかなり画期的ですね。


成田空港に120kWの太陽電池発電設備完成

 クリーンエネルギーを空港施設で活用するため、成田空港ターミナルビルなどで行われていた太陽光発電の電池パネルの取り付け作業が8月17日完了し、今秋から本格的な電力供給が始まる。
 太陽光発電は、新東京国際空港公団が環境に優しい循環型の空港づくりの一環として2億6千万円をかけて導入を計画しており、既に関西空港(10kW)でも太陽光発電が行われているが、成田の規模は約120kWで国内空港では最大とな設置場所は第1ターミナル中央ビル新館屋上など3カ所で計882枚(112cm×97cm:4kg)のパネルを使用。


NEDOが平成11年度の風力開発フィールドテスト事業地域を決定

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)はこのほど平成11年度の風力開発フィールドテスト事業新規共同事業先として、北海道室蘭市の日本製鋼所、静岡県相良町のスズキ、福岡県大島村などシステム設計17カ所、北海道えりも町、和歌山県吉備町、長崎県松島炭鉱など設置・運転8カ所を決定した。
 今回の採択案件を含めると、これまでで、システム設計48カ所、設置・運転21カ所となり、総発電出力は約9,200kWとなる。詳細は以下のページを参照して下さい。
 https://www.nedo.go.jp/informations/press_index.html 


1999年8月

*運輸省が港湾での風力発電を補助 

 運輸省は自治体が港湾区域に風力発電施設を建設するのを支援する補助金を来年度予算で要求する。これに合わせ、8月下旬には公共地である港湾での建設に必要な法律上の手続きなどをまとめたマニュアルづくりを始めるという。
 港湾区域は、陸上に比べて約1.5倍も風が強い上、住宅地との距離があるため、発電による騒音や電波障害の問題が少ないという利点があり、ベルギーやデンマークでは港湾区域での風力発電が盛んに行われている。 
 海洋構造物の建設ノウハウをもつ運輸省港湾局の主導で風力発電を普及させる意向であるという。

*東京電力(株)が自前で風力発電建設?! 

 東京電力は、早ければ来年2月にも自前の風力発電所を八丈島に建設する。
 八丈島での1号機は出力500kW、それ以降は伊豆諸島や小笠原諸島にも広げるという。現在、伊豆諸島や小笠原諸島はディーゼル発電が中心であり、燃料の輸送費等を考慮すると風力発電の方が割安と判断したという。
 島以外の関東地区でも風況等を調査して発電候補地を絞り、事業化が進めば分社化して取り組むことも検討中とのこと。


*NEDOが「地域新エネルギー導入促進事業」に係る補助事業者を公募

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は地方公共団体が実施する地域新エネルギー導入促進事業に対する補助事業の公募を開始した。
 対象となるのは地方公共団体が実施する(1)太陽光発電(150kW以上)(2)風力発電(1,500kW以上)(3)太陽熱利用等の設置に対し、補助金を交付するもので、例えば太陽電池については、対象補助事業の1/2以内となっている。
 公募期間は、平成11年6月28日(月)〜平成11年7月27日(火)。
 詳細は、次のページを参照下さい。
https://www.nedo.go.jp/informations/koubo/110628-2.html


1999年7月

*埼玉県川越市の住宅用太陽光発電システム設置費補助事業
 川越市では、自然エネルギーを利用する市民を支援するため、単独事業として住宅用太陽光発電システムを設置する市民に対して、補助事業を実施。
 対象は、自ら居住する川越市内の住宅にシステムを設置する市民で、平成12年2月29日までに工事を完了し実績報告書を提出できる方。補助金の額は1KW当たりの発電システムの価格と352,000円との差額の6分の1に相当する額又は1KW当たり100,000円の額のいずれか低い方の額に、発電システムの最大出力値(4KWを超えるシステムにあっては、4KWとする。)を乗じた額(最高限度額400,000円)とのこと。
(問い合わせ…0492-24-8811、内線2615、環境政策課節電推進係

NEFが平成11年度住宅用太陽光発電システムの設置者を募集
 新エネルギー財団(NEF)が、住宅用太陽光発電システムの設置者の募集を開始。
 募集期間は、平成11年4月15日〜平成11年9月30日まで。
 応募資格は住宅用太陽光発電システムを設置する者であって、電力会社と電灯契約を締結する者。補助額は、設置設備の約1/3で、1kWあたり30万円前後(10kWまで)。  
 詳細は、次のページを参照下さい。
https://www.nef.or.jp/moniter/moni6.htm


1999.6.30
 名古屋市が太陽光発電導入者に補助金
 名古屋市では、(財)新エネルギー財団が行う住宅用太陽光発電補助を受けるシステム導入者に設置費の追加補助を行うことを決定した。
 対象者は名古屋市内の住宅にシステムを設置するか、システムが設置された新築住宅を購入する人。補助額は1kWあたり17万円で上限は4kWまで。
 (財)新エネルギー財団の補助と合わせると設置費のほぼ半額となる。
 募集期間は7月13日〜8月12日まで。
(問い合わせTel:名古屋市環境保全局 052-972-2674)

1999.6.25
 米国DOEが風力発電を5%以上にする計画を発表 
 米国(DOE)エネルギー省は、2020年までに風力発電のシェアを5%にする計画を発表した。米国の風力発電能力は、現在約250万kW(全発電設備容量の0.5%)、これを2020年まで段階的に増加させて風力シェアを5%とすることにより、年間のCO2排出量を約3500万トン削減できるという。
 DOEでは、財政支援、研究開発支援、技術訓練などの政策を実施し、現在の設備コストのキロワットあたり900(11万円)〜1200ドル(14万円)を、2020年までに625ドル(7.5万円)まで低下させるとしている。

1999.6.21
 日本の風力発電容量が急増中! 
 欧米で先行し、日本は導入が遅れていた風力発電設備がこのところ急増しているという。  
 日本では、1980年台に風力発電の導入が図られはじめ、約20年間で、約3万kWの発電容量となっているが、1999年度及び2000年度の導入計画だけで、従来の2倍以上の発電容量を達成する勢いとのこと。 
 この背景には、97年の気候変動京都会議(COP3)などで、二酸化炭素排出削減目標が定めらた事があるが、より具体的には国の指導により電力各社が、余剰電力をキロワットあたり、11円台で長期間購入(15〜17年)する制度を開始したことに起因しているらしい。 
 主な計画をみても、総合商社トーメンが2000年を目途に下北半島に6万kWの風力発電設備を計画。電源開発は、北海道苫前町に3万kWの風力発電設備を建設し、2000年末には供給を始めるなど、大型プロジェクトが目白押しである。
 一方で北海道電力は、年間の風力発電購入を6万kWに制限するという、不安要素も出てきている。電力小売り自由化の流れなども合わせ、今後も目を離せない。

5月15日,1999

*三洋技研がハチの巣型の集合風車を開発
札幌市にある三洋技研工業は、500W〜1kWの小型風車を20個組み合わせた「集合型大容量風力発電システム」を開発した。高さ19mの支柱に六角形の鉄製枠を20個、ハチの巣のように組み合わせたもの。総事業費は、3,300万円、全体出力は12kW、一般家庭の2〜3戸分の消費電力がまかなえる。
 取り付ける発電機を5kWに変更すれば、最大出力100kWの発電が可能とのこと。また、費用も将来は1/3程度のコストダウンが可能とのこと。

5月10日,1999

*電源開発などが国内最大の風力発電所を北海道に建設
 電源開発株式会社は、オリックス、カナモトと共同で、北海道苫前町内の海岸沿いにあるグリーン昼地区に、国内最大となる最大出力3万kWの風力発電所を建設し、発生電力を北海道電力に売電する。電源開発など3社は、資本金千万円で「株式会社ドリームアップ苫前」を設立し、今年7月には風車を発注、来年5月には工事を開始し、2000年12月に運転開始を目指すという。

4月10日,1999

*中国電力が太陽光発電に助成金
 中国電力は「クリーンエネルギー普及促進の会」に対して、太陽光に関するデータ計測や分析ノウハウを提供するとともに、同会会員で太陽光発電設備を設置する家庭に対して1件あたり、80万円を助成・支援することを明らかにした。具体的には太陽光発電設備の設置を希望する場合、3kWから5kWまでの設備30件に対して、1件あたり80万円を助成する。募集開始は今年、6月から。問い合わせは、連合広島内の「クリーンエネルギー普及促進の会事務局」(Tel.082-262-8755)まで。

4月1日,1999

*九州電力が太陽光発電普及の支援事業
 九州電力は、九州内の複数の環境NGOで構成される「再生可能エネルギー推進市民フォーラム西日本(仮称)」が計画する一般家庭への太陽光発電普及事業に対して協力・支援することを決定した。具体的な助成件数は、年間100件程度、1件あたり最大3kWとし、1kWあたり約35万円を助成する見込み。但し、設置者が国等から補助金を受ける場合は、1kWあたり20〜30万円程度に助成額を抑える。助成期間は、99年度から3年間。
 九州電力は、7月から九州各県の県庁所在地などで、募集説明会を実施する予定。問い合わせは、西日本リサイクル運動市民の会(Tel.092-752-7769)まで。


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